【チャートで見る株価】小野薬品は「もみ合い放れ」迫る、業績見通しを増額修正

■注目の「オプジーボ」効能追加により前回発表予想を上回る見込み

 小野薬品工業<4528>(東1)は2日の後場、急速に値を戻し、取引開始後に2739.5円(11.5円高)と堅調相場に転換した。超高額の抗がん剤「オプジーボ」で知られ、正午に第3四半期の連結業績(2017年4月~12月、IFRS:国際基準)を発表。3月通期の見通しを全体に増額修正し、営業利益は従来予想を9%増加させたことなどが好感されている。

 通期の営業収益(売上高に相当)は従来予想を2.4%増額し2600億円の見込みとした。発表によると、抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」は、2017年2月より薬価が50%引き下げられたが、前年度に効能追加された腎細胞がん、頭頸部がん、2017年9月に効能追加された胃がん等のがん腫への使用が拡大したことにより、前回発表予想を上回る見込み。また、第3四半期連結会計期間にブリストル・マイヤーズ スクイブ社へのONO-4578導出に伴う契約一時金の一部を売上計上した。

 株価は、ここ半年ほど、もみ合い相場の上値が2730.0円(17年10月)、2733.5円(18年1月)、2744.0円(18年2月)となっており、これらの水準が上値抵抗ゾーンとして意識されている。2日の後場は、このゾーンを抜く可能性を強めており、抜け出せば典型的な「もみ合い放れ相場」となって値動きが軽快になり、新たな相場を形成しやすくなるとの見方が出ている。(HC)

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