【株式評論家の視点】ウィルは2期ぶり最高益更新を見込む、割安感に加え利回り妙味も増す

株式評論家の視点

 ウィル<3241>(東2)は、単なる不動産の枠組みを超え、「人生に関わる総合サービス企業」を目指して、住まいと暮らしの「ワンストップサービス」を提供している。 このサービスは、不動産売買の仲介を行う流通事業をはじめ、リフォームの設計や施工管理、自社開発による分譲住宅の供給、物件販売の受託、並びにファイナンシャルプランニングに至るまで、住まいに関わる全てを事業領域とし、単一事業だけでは提供することができない、複数事業が連携するからこそ生まれる新しい「付加価値」を提供している。

 同社は、ワンストップ体制のシナジー最大化戦略に注力することで、持続的成長と高収益体質の実現を目指しているが、今2018年12月期は、流通店舗への来店顧客数増加を目的に、マーケティングオートメーションの導入を通じて、多様化する顧客ニーズや行動パターンへ対応するなど、自社サイトの集客力強化に取り組んでいる。更に、リフォーム提案の機会を増やすことを目的に、流通事業に集まる売却情報を活かし、顧客がリフォームすることを前提に購入しやすい中古マンションを開発分譲事業で確保しておくことで、流通事業とリフォーム事業、開発分譲事業の収益性を相乗的に伸ばす方針。また、営業エリア拡大の一環として、本年3月末(予定)に覚王山営業所(名古屋市千種区)を出店し、中部圏へ進出する計画。更に、安定した財務基盤を活かして、財務リスクの許容範囲を慎重に検討したうえで、 来々期の業績を見越した戸建分譲用地の仕入にも取り組む計画のほか、今後の事業展開を加速させるため、人材獲得を含めた人への投資、業務効率の向上を目的とした設備投資など、未来への投資を積極的に行う予定だ。 

 2月13日に発表した12月期本決算は、前2017年12月期業績実績が売上高52億2200万円(前の期比7.0%増)、営業利益6億3000万円(同6.3%減)、経常利益6億2300万円(同5.2%減)、純利益4億1300万円(同5.4%減)に着地。

 今18年12月期業績予想は、売上高56億7400万円(前期比8.6%増)、営業利益7億1200万円(同12.9%増)、経常利益6億8100万円(同9.3%増)、純利益4億4900万円(同8.5%増)と2期ぶりに最高益更新を見込む。年間配当予想は、期末一括13.5円(同0.5円増)と連続増配を予定している。

 株価は、昨年1月31日の昨年来の安値330円を底に本年1月10日に昨年来の高値425円と上昇。上げ一服で2月15日安値356円と調整している。最高益更新見通しで、今期予想PER9倍台と割安感があるほか、配当利回り3.7%と利回り妙味も増す水準。また、逆張り指標ではRSIが40%以下、25日移動平均乖離率が-5%以下で買いシグナルが点灯しており、リバウンド相場入りが期待できることから買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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