【新規上場(IPO)銘柄】ベストワンドットコムは外国人人材紹介会社に出資、押し目買い優位に上値を伸ばすか注目

株式評論家の視点

 ベストワンドットコム<6577>(東マ)は、4月25日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、クルーズ旅行専門のオンライン旅行会社として、リーズナブルなクルーズ旅行を取りそろえた「ベストワンクルーズ」、ハネムーン顧客を対象とした「フネムーン」、子会社では高級船を専門に取り扱う「ファイブスタークルーズ」を運営している。

 「ベストワンクルーズ」では、クルーズ乗船券とパッケージツアーをオンラインで検索・予約可能 乗船券、自社企画商品に加えて、提携旅行会社のツアーも予約可能で、 取り扱いコース数は17,101コースを誇っている。

 「フネムーン」では、ハネムーン検討層へ向けた、クルーズ旅行専門サイトです。 サテライトサイトとして独自のマーケティングを行うため、クルーズを潜在層にもアプローチしている。

 「ファイブスタークルーズ」では、 子会社のファイブスタークルーズが、高級船、カジュアル船のスイートに特化したラインナップで、富裕層、シニアに向けた販売を行っている。

 6月12日午後2時35分に発表した今2018年7月期第3四半期業績実績は、売上高10億9400万円、営業利益1億0100万円、経常利益9700万円、純利益6700万円に着地。同社独自の仕入を活かした格安ツアーとして、アジア(シンガポール発着)、エーゲ海(ベニス発着)、カリブ海(マイアミ発着)クルーズのパッケージツアーを発表し、予約受付を新規に開始。API連携、同社WEBサイトのユーザビリティ改善などの取り組みによって、オンライン予約比率も向上しており、業務効率の改善や成約率の向上に結び付いている。また、ゴールデンウィーク前半の出発では、新規就航となる日本発着外国船(MSCクルーズ、ノルウェージャンクルーズライン)の販売が好調に推移。4月末からは東証マザーズへの上場を記念したセールも実施し、足元の問合せ、予約状況も増加・傾向となっている。

 今18年7月期業績予想は、売上高17億2400万円(前期比44.1%増)、営業利益1億1700万円(同2.4倍)、経常利益1億2100万円(同2.4倍)、純利益7800万円(同2.3倍)を見込む。調達資金はチャータークルーズ催行のための仕入金や人件費、広告宣伝費に充てる計画で、年間配当予想は、無配を予定している。

 株価は、エイチ・アイ・エス(HIS)の創業者で会長兼社長を務める沢田秀雄氏の長男、沢田秀太氏が経営していることから市場の人気が高まり、上場2日目の4月26日に公開価格4330円を3.4倍上回る1万4830円で初値をつけた後、同日上場来高値1万5800円と上昇。5月23日に上場来安値9380円まで調整したが、今18年7月期第3四半期業績好調を好感し、6月12日高値1万2530円と上昇している。米朝首脳会談が終わり、インバウンド関連に見直し機運が高まっており、同社が5月30日に外国人人材紹介事業をおこなうWonderwallへの出資を決定したことも株価を刺激しそうだ。今回の出資は882万円と少額だが、同社の今後の多言語サイト(グローバル)展開を見据えた事業シナジーの可能性と、Wonderwall社の今後の成長によるリターンが期待されることから、押し目買い優位に上値を伸ばすか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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