【編集長の視点】イントラストは続落も最高業績更新・連続増配を見直しインバウンド関連人気もオンして押し目買い好機

 イントラスト<7191>(東1)は、前日17日に14円安の735円と続落して引けた。全般相場の先行きが、米中の貿易戦争の影響でなお不透明化懸念があるなか、今年5月15日につけた株式分割の権利落ち後安値665円から100円幅の底上げ水準にある同社株にも目先の利益を確定する売り物が増勢となった。ただ下値には、同社の今2019年3月期の純利益が、3期ぶりに過去最高を更新し連続増配も予想していることを見直し、押し目買いも続いた。またバカンス・シーズン入りとなり、日本政府観光局が、この日18日大引け後に予定している今年6月分の訪日外客数推定値の発表を先取り、同社が、今年5月から新成長事業として提供を開始した外国人患者向けの「医療費未払い発生防止プログラム」を手掛かりにインバウンド関連株人気の再燃期待も高めている。

――――家賃債務保証事業の契約件数は年率20%と高成長を続け新サービス商品も上乗せ――――

 同社の業績は、年率20%以上の高成長を続け、今2019年3月期業績は、売り上げ34億4000万円(前期比16.5%増)、営業利益9億2500万円(同19.7%増)、経常利益9億2500万円(同23.0%増)、純利益6億3000万円(同23.8%増)と2ケタ続伸を見込み、純利益については、2016年3月期の過去最高(5億2400万円)を3期ぶりに更新する。主力の家賃債務保証事業の保有契約件数が、前期末で29万8112件と創業以来、年平均20.2%の高成長を続け、この家賃債務保証商品に新規の入居申込審査業務や保険デスクサービスなどの周辺業務の新規商品を上乗せし、加えて保証業界に先駆けて開発した医療費用・介護費用保証商品や養育費保証商品が、準備投資段階から実現投資段階にシフトして収益事業化することなどが要因となる。
 業績の高成長は、今期のみにとどまるものではない。同社が今期からスタートさせた中期経営計画では、今後3年間に6億5000万円~10億円に達する積極投資を推進し、最終年度となる2021年3月期に売り上げ50億円、営業利益12億5000万円を目指し、営業利益率も25%を達成する。つれて株主還元策にも意欲的で、配当性向30%超を目標にしている。今2019年3月期の配当は7円を予定、今年2月28日を基準日に実施した株式分割(1株を2株に分割)を勘案すると実質で前期比4円の連続増配となる。

 なお、「医療費未払い発生防止プログラム」は、2016年の訪日外国人客が2403万人、在留外国人数が230万人と過去最高となり、日本政府観光局が2030年には外国人観光客を6000万人まで拡大させる目標を掲げるなか、訪日外国人旅行者の約4%が日本滞在中に怪我や病気に罹っており、この対応に医療機関が積極的に取り組むことをサポートする。外国人旅行客の患者の3割が医療費の未払いとなっている調査結果もあり、全国1400カ所の医療機関に全17言語で医療通訳の「mediPhone(メディフォン)」を運営している医療シンクタンクの一般社団法人JIGH(東京都港区)と連携して保証商品を提供する。例年7~8月は、バカンス・シーズン入りするだけに、株価注目度を高めている。

――――25日線を出没する三角保ち合いから上放れ分割権利落ち後高値奪回へ弾み――――

 株価は、今年2月23日に株式分割(1株を2株に分割)の権利を1871円で落とし、配当権利落ちも重なって分割権利落ち後高値965円から665円安値まで調整し、今期純利益の過去最高更新・連続増配予想や富裕層向け資産運用サービスを提供するエー・ディー・ワークス(東京都千代田区)との連携も続いて864円の戻り高値をつけ、米中の貿易戦争勃発による世界同時株安に巻き込まれて706円安値へ突っ込み、25日移動平均線を出没する三角保ち合いを続けてきた。国内中堅証券が、新規に投資判断を「買い」、目標株価を900円としてカバレッジを開始したことも加わり、値ごろバリュー株買いを強めて三角保ち合いを上放れる戻り高値抜けから、分割落ち後高値奪回にチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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