ゼリア新薬工業の第1四半期は減収ながら大幅増益

■堅調な海外に加え、効率的な経費の使用や研究開発費の一部が第2四半期以降にずれ込む

 ゼリア新薬工業<4559>(東1)の19年3月期第1四半期連結業績は、減収となったものの堅調な海外業績に加え、効率的な経費の使用や研究開発費の一部が第2四半期以降にずれ込んだこともあり、大幅増益となった。

 19年3月期第1四半期業績は、売上高152億59百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益16億32百万円(同173.5%増)、経常利益17億41百万円(同162.4%増)、純利益22億44百万円(同241.3%増)と減収ながら大幅増益で、特に、最終利益は第2四半期予想額を上回る結果となった。


■主力製品である潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール(R)」は国内外で苦戦

 医療用医薬品事業は、主力製品である潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール(R)」は、国内は、今年4月の薬価改定や後発品及び競合品の影響を受け、さらには海外でも、一部地域での売上減少やスイスフラン高の影響を受け、ともに苦戦した。一方で、炎症性腸疾患(IBD)治療剤「Entocort(R)」(国内販売名:「ゼンタコート(R)」)は、国内外ともに引き続き売上を拡大した。なお、機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド(R)」は、引き続き内視鏡実施医療機関を中心に潜在的な機能性ディスペプシア患者の掘り起しに努めている。また、17年11月に『インフリキシマブBS点滴静注用100㎎「日医工」』の共同プロモーションを開始し、消化器領域における製品ラインアップの充実を図っている。

■主力製品群である「ヘパリーゼ(R)群」及び「ウィズワン(R)群」は売上拡大

 コンシューマヘルスケア事業は、主力製品群である「ヘパリーゼ(R)群」及び「ウィズワン(R)群」については、テレビCMなどの広告宣伝活動を積極的に展開し、製品認知度の向上に努めた結果、引き続き売上を拡大した。また、18年4月に 「ヘパリーゼ(R)Wプレミアム極」を発売し、製品ラインアップを強化した。一方、「コンドロイチン 群」については、市場競争の激化により苦戦したが、医薬品としての有効性、安全性、高品質を訴求し、健康食品との違いを明確にした販売活動を行った結果、引き続き圧倒的な市場シェアを堅持している。これらの結果、同事業の売上高は、70億92百万円(同1.7%増)となった。

 第1四半期は大幅増益となったが、第2四半期以降については、Entocort(R)やヘパリーゼ(R)群などの主力製品の売上高は引き続き拡大する見込みであるものの、国内外で実施している治験の進捗などにより研究開発費が高水準で推移すること、さらには、為替相場の先行きが不透明なことなども考慮し、現時点では連結業績予想は据え置くとしている。

 ちなみに、19年3月期連結業績予想は、売上高680億円(前期比5.3%増)、営業利益52億円(同7.7%増)、経常利益52億円(同2.2%増)、純利益43億円(同3.4%増)となっている。

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