【編集長の視点】ヨコレイは3Q決算発表を前に3期連続の通期最高業績を見直し割り負け訂正の3連騰

 ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は、前日9日に1円高の1001円と小幅ながら3日続伸して引け、今年3月27日につけた年初来安値972円に並ぶ安値水準から底上げを続けた。同社株は、来週8月13日に今2018年9月期第3四半期(2017年10月~2018年6月期、3Q)決算の発表を予定しており、これに先立って今9月期通期業績が、3期連続の過去最高更新と予想されていることを見直し、割り負け訂正買いが増勢となった。テクニカル的にも、今年3月の年初来安値972円と足元の7月4日安値975円でダブル底を形成し、3月安値直後の4月に1136円へ買い戻されたリバウンド相場の再燃期待を強めている。

■東京羽田物流センターが稼働開始し幸手センターには最先端物流システムを導入

 同社の今9月期通期業績は、売り上げ1630億円(前期比2.5%増)、営業利益70億円(同35.1%増)、経常利益70億円(同28.8%増)、純利益40億円(同19.0%増)と予想され、純利益は、3期連続して過去最高を更新する。前期に閉鎖した2物流センターの影響や、今年2月竣工の東京羽田物流センターの立ち上げ費用、減価償却費増などがあるものの、ノルウェーのトラウト養殖事業が順調に推移して、マレーシアの海老養殖事業とともに垂直統合型ビジネスモデルが収益化し、東京羽田物流センターが、稼働を開始し首都圏12カ所の冷凍食品物流網が完成し、幸手物流センターにはトラック予約受付システムを導入し物流効率化を進めたことなどが寄与する。なお今期配当は、期末に設立70周年の記念配当3円を上乗せして13円とし、年間配当を23円(前期実績20円)に増配する。この9月期通期予想業績に対して、3Q業績がどのような進捗率を示すのか、注目されている。

■3月の年初来安値で下値抵抗力を発揮してダブル底を形成し低PER・PBR修正に再発進

 株価は、幸手物流センターにトラック予約受付システムを試験導入した昨年12月に昨年来高値1224円へ買われる人気となったが、年明け後は、再三の世界同時株安が波及して3月に年初来安値972円へ売られ、下げ過ぎ訂正で4月に1136円の戻り高値をつけた。同戻り高値後は、なお米中貿易摩擦の激化懸念で全般相場が乱高下、ほぼ往って来いで下値を探った。ただ年初来安値を前に下値抵抗力を発揮して25日移動平均線を出没、ダブルボトムを形成した。PERは13倍台、PBRは0.75倍、配当利回りは2.29%となお割り負けており、4月の戻り高値抜けから上値チャレンジを強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治) 

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