【編集長の視点】リファインバースは一気に上場来高値更新、原油価格上昇で連続の最高更新業績の上ぶれ期待を高める

 リファインバース<6531>(東マ)の前日15日の株価は、1000円高の7000円とストップ高で5営業日続伸し、今年10月19日につけた上場来高値6500円を一気に更新した。今年11月30日のOPEC(石油輸出国機構)総会で減産が合意され、さらに12月10日にはOPEC加盟国と非加盟の主要産油国の間で15年ぶりに協調減産が合意されたこと受け、原油先物(WTI)価格が一時、1バーレル=54.51ドルと1年5カ月ぶりの高値をつけ、14日の米連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き上げ後も、50ドル台で高値推移が続いていることから、同社の再生樹脂価格や販売に好影響するとして業績期待を高め関連株買いが一段と盛り上がった。同社の今6月期業績は、連続過去最高更新と予想されているが、この第1ステップの今期7月~9月期(第1四半期、1Q)業績が、2ケタの増収増益で着地、好調にスタートしていることも見直された。

■処理契約社数が増加し調達数量が拡大、稼働率もアップして販売量が続伸

 同社の再生樹脂事業は、業務用カーペットを産業廃棄物として処理する入口に加えて、これを独自技術で樹脂として再生・製造する出口でもそれぞれ売り上げを計上するダブルインカムモデルの高収益事業で、価格的にも再生樹脂はバージン樹脂製品に比べて相対的に割安となっている。WTI価格は、OPEC内部や非加盟国との減産合意により1バーレル=54ドル台の高値をつけ、その後も50ドル台をキープして堅調に推移しており、価格的な優位性はさらに高まっており、販売量やさらに業績へポジティブに影響することになる。

 現に今年11月14日に発表した今期1Q業績は、前年同期比19.5%増収、27.8%営業増益、19.2%経常増益、2.18倍純益増益と大きく伸びた。東京オリンピックやインバウンド(外国人観光客)関連による商業施設やホテルなどの大型改修工事や、マンションのリフォーム・イノベーション、企業のオフィス移転・拠点統合などで使用済みタイルカーペット処理の契約社数が増加して調達数量が拡大し、稼働率がアップ、販売量が続伸したことなどが要因となった。

 今2017年6月期業績は、期初予想に変更はなく、売り上げ24億600万円(前期比13.5%増)、営業利益3億5100万円(同31.7%増)、経常利益3億1700万円(同28.6%増)、純利益2億300万円(同23.8%増)と予想され、前期の過去最高を連続して更新する。今後の原油価格動向次第では、なお最高業績が上ぶれる可能性も強まる。

■業績とともに株価もWTI価格との連動性を強めて上値チャレンジに弾み

 株価は、今年7月の新規株式公開(IPO)時に公開価格1700円に対して2770円で初値をつけ3060円高値まで買い進まれ、いったん下値を探ったが、今期業績の連続過去最高更新予想で連続ストップ高して4480円をつけ、さらにWTI価格の上昇とともに6500円高値まで急騰した。その後、新興市場の人気離散とともに11月に3880円と再調整したが、OPEC減産合意に非加盟国との協調減産合意が続いて一気に上場来高値7000円まで上値を伸ばし、11月の調整幅以上に急伸した。業績とともに株価もWTI価格の連動性を強めて上値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭二)

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