平山ホールディングスの18年6月期は2ケタ増収大幅増益とV字回復し、最高益更新

■主力であるインソーシング・派遣事業は輸送用機器、住設関連、食品関連分野からの受注が引き続き堅調に推移

 平山ホールディングス<7781>(JQS)は14日引け後、18年6月期決算を発表した。人手不足が言われる中で、製造請負、製造派遣を主力とする同社のニーズは堅調であったことから2ケタ増収大幅増益とV字回復し、最高益更新となった。

 18年6月期は、主力であるインソーシング・派遣事業では、輸送用機器、住設関連、食品関連分野からの受注が引き続き堅調に推移した。また、人材採用環境か厳しい中、効率的な採用と定着に注力した。

 その結果、売上高135億93百万円(前年同期比16.8%増)、営業利益2億14百万円(同436.1%増)、経常利益2億14百万円(同144.4%増)、純利益3億46百万円(同136.8%増)となった。

 セグメント別の業績は、インソーシング・派遣事業は、輸送用機器、住設関連、食品関連分野からの受注が引き続き堅調に推移した。電子部品、自動車関連の大手企業を中心に新規顧客の開拓が進んだ。また、主力取引先の取引単価改正もあり、利益改善となった。採用面では、無期雇用化を進めたことから順調に採用が進んだ。その結果、売上高104億71百万円(同15.5%増)、セグメント利益10億39百万円(同33.2%増)となった。

 技術者派遣事業は、自動車等の輸送機器分野、半導体製造装置分野での需要が堅調であった。新卒人員の採用は、昨年並みの人員を確保すると共に、順調に顧客に派遣することができた。また、海外人材の使用ルート拡大、グループ内企業からの技術育成など、人材確保に関して実績が出始めた。その結果、売上高11億06百万円(同18.5%増)、セグメント利益42百万円(前年同期△03百万円)と2ケタ増収大幅増益で黒字転換となった。

 海外事業は、タイについては、18年4月から最低賃金が7%強上昇したことから顧客企業でも自働化、省人化、派遣の見直しを検討し始めたため、インソーシング化の提案と共に賃上げ交渉を続ける一方、販売管理費の削減を進め利益率改善に努めた。
 ベトナムについては、コンサルティング事業、教育事業を展開し、日本の取引先の現地視察研修を企画し、実施した。また、外国人雇用が進む日本向けの技術者紹介にも取組んだ。その結果、売上高17億87百万円(前年同期比22.2%増)、セグメント利益△20百万円(前年同期△33百万円)と2ケタ増収により、赤字幅は縮小した。

 その他の事業は、主力の製造業向け現場改善コンサルティング事業は引き続きベトナム、マレーシアに加え、中国からの引き合いも増え、日本国内では製造業のみならずサービス、物流関連業界からの引き合いに加え、大手企業からの依頼が急増した。
 もう一つの主力である海外スタディーツアーは、マレーシア、中国、イタリア等からの引き合いが続き、高等に推移した。今後は、中国の合弁会社の発足に伴い、同市場からの受注を見込んでいる。その結果、売上高2億28百万円(前年同期比23.8%増)となったが、新規事業のIoT事業の立ち上げ費用が嵩んだことから、セグメント利益18百万円(同25.0%減)となった。

 そして、19年6月期も業績の拡大傾向は続きそうだ。人手不足は常態化すると見ているが、現場コンサルティング機能を積極的に活用しながら、IoTの導入により生産現場での収益改善を向上させる新たなビジネスモデルを展開する計画だ。

 新規取引先では、スマートフォンやAIスピーカー向け部品などの日系大手電子部品メーカーや、日系自動車部品メーカーの最大手クラスなどからの業務請負が本格化する。17年7月に株式を取得したFUNtoFUN(ファントゥーファン)は、大手マヨネーズメーカーグループなど、食品・小売り業界向けの業務請負や職業紹介を行っており、事業の対象となる業界が食品製造や小売り分野にも拡大することになる。

 海外関連事業では、タイ国の法人を中心に、日本流の製造請負の提案などを拡大する。また、海外からのスタディツアービジネスをさらに強化し、増収増益につなげて行く計画だ。

 そのため、19年6月期連結業績予想は、売上高200億円(前期比47.1%増)、営業利益3億円(同39.9%増)、経常利益3億円(同39.7%増)、純利益4億円(同14.9%増)と2期連続の最高益更新を見込む。1株利益は228円46銭になる。

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