トレジャー・ファクトリーは調整一巡期待、19年2月期大幅増益予想で上振れ余地

日インタビュ新聞ロゴ

 トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)はリユースショップを展開している。19年2月期は新規出店、既存店利益率改善、子会社収益改善などで大幅増益予想である。第1四半期が計画超だったことを考慮すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。株価は7月の戻り高値圏から反落したが調整一巡を期待したい。

■リユースショップを首都圏中心に展開

 総合リユース業態トレジャー・ファクトリーや服飾専門リユース業態トレファクスタイルを主力とするリユースショップを、首都圏直営店中心に展開している。

 18年7月11日時点の店舗数は、16年9月子会社化したカインドオル、18年3月子会社化したゴルフキッズを含めてグループ合計181店舗(トレジャー・ファクトリー64店舗、トレファクスタイル46店舗など単体120店舗、カインドオル40店舗、ゴルフキッズ21店舗など)である。

 中期成長に向けた戦略として、既存店強化(店舗S&B、一般買い取り強化による売上総利益率改善)、多店舗展開(複数業態で国内主要都市への出店加速)、新業態開発、ネット事業・ネット経由収益拡大、および海外事業(17年11月にタイ・バンコク2号店オープン)を推進している。

■19年2月期大幅増益予想で上振れ余地

 19年2月期連結業績予想は、売上高が18年2月期比8.3%増の177億99百万円、営業利益が31.6%増の8億18百万円、経常利益が25.7%増の8億41百万円、純利益が60.2%増の5億54百万円としている。配当予想は18年2月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は32.6%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比8.6%増の43億54百万円で、営業利益が28.4%増の3億06百万円、経常利益が24.0%増の3億15百万円、純利益が12.5%増の1億95百万円だった。

 増収効果による売上総利益の増加、販管費のコントロール、子会社カインドオルの収益改善などで計画超の大幅増益だった。差引売上総利益率は63.5%で0.1ポイント低下、販管費比率は56.4%で1.3ポイント低下した。単体ベースの既存店売上は99.4%、新規出店は4店舗だった。

 通期も大幅増益予想である。12店舗前後の新規出店、既存店売上100%、既存店売上総利益率0.5ポイント改善、子会社カインドオルおよびゴルフキッズの収益改善を見込み、海外事業も黒字化を目指している。

 月次売上(単体直営店の店舗売上、前年比速報値ベース)を見ると、18年8月は全店107.3%、既存店99.0%だった。既存店売上は5ヶ月連続の前年比マイナスだった。休日が1日少なかったことが影響した。なお8月の新規出店および退店は0店舗で、8月末時点の店舗数は119店舗となった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.5%、営業利益37.4%と順調である。期初時点で下期偏重の計画であることを考慮すれば、通期予想に上振れの可能性がありそうだ。好業績を期待したい。

■株主優待制度は2月末の株主対象

 株主優待制度は毎年2月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象に実施している。

■株価は調整一巡期待

 株価は7月26日の戻り高値858円から反落したが調整一巡を期待したい。9月7日の終値は719円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS48円76銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想年間16円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS348円09銭で算出)は約2.1倍、時価総額は約83億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る