加賀電子が富士通エレクトロニクスを完全子会社化へ、3段階に分けて3年後メドに100%取得

株式市場 銘柄

■売上高5000億円級になり世界で戦える企業を目指す、取得見込総額は205億円規模

 加賀電子<8154>(東1)は9月10日の取引終了後、富士通エレクトロニクスの株式取得と100%子会社化について決議したと発表。富士通<6702>(東1)も、「富士通セミコンダクターより70%株式取得」などと発表した。

 加賀電子では、これにより、加賀電子は売上高5000億円級の企業グループを形成することとなり、さらに、これを足場として、売上高「兆円」級の海外競合企業とも伍して戦える「世界に通用する企業」となることを最終ゴールに、引き続き、規模と質の両面から持続的成長に取り組むとした。10日の加賀電子の株価終値は2106円(5円安)。

 発表によると、富士通エレクトロニクスの株式は、富士通セミコンダクターが発表日現在で100%保有しており、これを3段階に分けて100%取得する。第1段階は2019年1月1日を譲渡実行予定日として議決権所有割合70.0%を取得。第2段階は2020年12月28日を予定日として議決権所有割合85.0%を取得。第3段階は2021年12月28日を譲渡実行予定日として議決権所有割合100.0%を取得する。

 取得総額は、各段階における富士通エレクトロニクスの連結純資産額の変動等を調整した金額となる予定。富士通エレクトロニクスは、第1段階の株式譲渡実行日に先立ち、2019年3月期中に100億円の現金配当を実施する予定。取得価額の見込総額(本件現金配当考慮後)は205億4300万円。本件株式取得において支払われる対価は、加賀電子が保有する自己資金、および新規のブリッジローン(つなぎ融資)により調達する予定。

 加賀電子は現在、「中期経営計画2018」(2015年11月4日公表)に基づき、「利益重視経営の確立」を最重要課題と位置付け、既存の大手顧客への電子デバイスの拡販、及び海外市場を中心としたEMSビジネスの拡大に取り組んでいる。今回の富士通エレクトロニクス株式の取得は、中期経営計画で描く成長戦略の一環として実施する。これにより(1)電子部品・半導体ビジネスのシェア拡大、(2)EMS(受託製造)ビジネスの事業規模拡大、(3)両社事業協業に伴う経営効率の更なる向上、などの効果を見込んでいる。

 これによる連結業績に与える影響については現在精査中であり、開示すべき事項が発生したら速やかに開示するとした。(HC)

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