CRI・ミドルウェアの前9月期連結業績は営業利益3.4倍となり全般2期ぶりに最高を更新

◆「ライブアクト・プロ」は「動画制作の民主化」を実現し急拡大の見込み

 CRI・ミドルウェア<3698>(東マ)が11月8日発表した2018年9月期の連結業績は、ゲーム分野でゲーム開発用ミドルウェア「CRIWARE」などがスマートフォンゲーム向けライセンス売上高を中心に着実に増加した上、組み込み分野、医療ヘルスケア分野では受注が拡大し、新規分野も好調に推移。売上高は16.41億円(前期比30.4%の増加)となり、2期ぶりに最高を更新した。18年5月に株式会社ウェブテクノロジを完全子会社化し、第4四半期から寄与したこともあり、営業利益は4.01億円(同3.4倍)となり、純利益は2.84億円(同2.6倍)と、ともに2期ぶりに最高を更新した。

■組み込み分野、医療ヘルスケア分野などでも受注が拡大

 医療ヘルスケア分野では、これまでの受付案内システムに関する案件に加え、新たに電子カルテ関連の案件もあり、第4四半期に既存顧客からの大型システム開発案件の追加受注により、計画を上回る売り上げを計上した。

 また、新規分野では、クルマやブランド衣料などの品々を「360度ビュー機能」で全方位から見ることのできるWEB動画ミドルウェア「LiveAct PRO(ライブアクト・プロ)」がトヨタ自動車<7203>(東1)グループの「TOYOTA・U-Car」の情報サイトに採用されたのを最初に、いま急成長中のファッションブランド小売り企業、大手出版社などに採用が拡大した。

 「ライブアクト・プロ」は、ショップの店員さんがスマートフォンで商品の動画を撮り、Webサイトにアップすることができる。このため、いわゆるプロ撮影者に依頼しないで済むケースが拡大し、「動画制作の民主化」を実現したツールとして注目されている。今期・19年9月期も受注が大きく拡大しそうな雰囲気がある。

■今期は先行投資を一段と積極的に行う計画のため利益面では強含み横ばいを計画

 同じく新規分野の動画向けソリューションでは、動画の高圧縮技術などが公的機関をはじめ見守りサービス向けなどにLTEやWiFiを用いた監視カメラシステムなどに拡大したほか、提携するイスラエル企業Terafence(テラフェンス社)と共同で製品開発を進めたIoTサイバーセキュリティソリューションは、単に監視カメラのセキュリティだけでなく、たとえばビル全体のITシステム網をサイバー攻撃やハッキングから防ぐシステムとして、北米を中心に国内でも拡大した。

 今期・19年9月期の連結業績見通しは、各分野とも技術開発・営業開拓の両面で先行投資を一段と積極的に行う計画のため、利益面では強含み横ばいを計画する。売上高は19.0億円(前期比15.8%の増加)とし、営業利益は4.10億円(同2.1%の増加)、純利益は2.91億円(同2.4%の増加)、1株利益は60円66銭の見込みとした。全体に2期連続で最高を更新することになる。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る