【新規上場(IPO)銘柄】 ツクイスタッフは17日に上場、介護業界の人材不足解消に貢献

株式市場 IPO 鐘

 ツクイスタッフ<7045>(JQ)は、12月17日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場した。同社は、全国でデイサービス、訪問介護サービス、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、様々な介護サービスを行っている株式会社ツクイから2016年1月に分社化し設立した。 同社は、ツクイグループ企業として、介護・医療に特化した高品質な教育研修体制の充実を図り派遣スタッフ一人ひとりのキャリア支援を行い、顧客に喜んでいただける派遣スタッフの質の向上に尽力しているほか、教育研修事業を通じて介護業界の課題である離職の低減に向けて様々なサポートを行い、介護業界全体の人材不足解消に貢献できる企業を目指している。


 人材紹介サービスは、登録スタッフの直接雇用を検討しているクライアントに、社員・パートなどとして就業を希望するスタッフの紹介を行っている。求職者のキャリア、スキル、希望職種、希望就業条件等のヒアリングを行っており、登録したスタッフの中から、クライアントの要望に応じた適切なスタッフを選出し紹介するため、マッチング率が高まり、ミスマッチが起こりにくいのが大きなメリットになっている。

 人材派遣サービスは、豊富な登録者の中からクライアントのニーズに合った即戦力となるスタッフを派遣している。人件費のコストダウン、急な欠員補充など様々な要望に対応しているほか、派遣スタッフに対してはビジネスマナーや派遣スタッフとして働くための心構えなど就業前研修を実施するとともに、コミュニケーション力、リーダーシップ向上など派遣スタッフの状況に応じた段階別研修のプログラムを用意し、スキルアップを図っている。契約期間中はキャリアアドバイザーが派遣先を訪問し、就業中のスタッフのフォローを行い、就業に関することから契約更新の確認、悩み事の相談までサポートに尽力している。

 紹介予定派遣サービスは、直接雇用(正社員・準社員・パートなど)を前提に、一定期間派遣スタッフとして就業し、派遣期間の終了時に派遣スタッフと派遣先の双方が合意すれば、直接雇用としての採用が決まる働き方で、派遣の期間は最長6か月と定められており、派遣期間を試用期間として働くシステムとなっている。

 今2019年3月期第2四半期業績実績は、売上高40億9600万円、営業利益2億5400万円、経常利益2億5000万円、純利益1億6500万円に着地。

 今19年3月期業績予想は、売上高83億8600万円(前期比8.4%増)、営業利益4億6700万円(同5.2%減)、経常利益4億3800万円(同10.6%減)、純利益2億8900万円(同10.3%減)を見込む。年間配当予想は、期末一括25円継続を予定している。

 株価は、上場初日17日に公開価格2630円を53.2%上回る4030円で初値をつけ、同前場高値4175円と上昇、同日安値3865円と下げた後、同後場高値4325円と上値を伸ばし、この日の引けは4200円。高齢化の加速と若年労働者の減少で人材難が深刻化する介護分野において、高品質な教育研修体制の充実化を図っており、人材不足解消に貢献していることが注目される。4000円割れを下値に着実に上値を試すか期待されそうだ。(株式評論家・信濃川)

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