【編集長の視点】システムサポートは2Q決算発表を前に今6月期通期業績の上ぶれ修正期待を高めて3連騰

システムサポート<4396>(東マ)は、前日6日に63円高の2108円と3日続伸して引け、昨年12月7日以来1カ月ぶりに2100円台を回復した。同社株は、昨年12月14日に今2019年6月期第2四半期(2018年7月~12月期、2Q)累計業績を上方修正し、その2Q累計決算の発表を3連休明けの今月12日に予定しており、昨年12月は期初予想を据え置いた連続過去最高更新の今6月期業績の一段の上ぶれ修正期待を高めて買い増勢となった。株式需給的にも、昨年8月の新規株式公開(IPO)時につけた上場来高値4025円から絶対高値期日を通過したことが買い手掛かりとなっている。

■クラウドサービスの導入支援案件など既存顧客向けの受注が好調

 同社の今6月期2Q累計業績は、期初予想より売り上げが3億2000万円、営業利益、経常利益が各7600万円、純利益が4800万円それぞれ引き上げられ、売り上げは55億7700万円(前年同期比19.1%増)と連続増収率を伸ばすとともに、営業利益は2億4300万円(同22.1%増)、経常利益が2億2900万円(同23.7%増)、純利益が1億4900万円(同21.1%増)と期初の減益予想が増益転換した。ソリューション事業の受注が、既存顧客向けに想定を上回って推移したことが要因で、不動産業界向けのEPR製品導入案件やデータベースの導入・維持・運用案件、クラウドサービスの導入支援案件などが寄与した。

 今6月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ109億3700万円(前期比9.7%増)、営業利益4億2800万円(同6.4%増)、経常利益4億円(同8.6%増)、純利益2億6800万円(同22.7%増)と見込んでいる。これでも純利益は、前期の過去最高を連続更新するが、今回上方修正された2Q累計業績は、営業利益、経常利益とも6月通期予想業績に対して55%~57%の進捗率と目安の50%をオーバーしただけに、2Q累計決算発表時の6月通期業績の上方修正期待につながっている。ビジネス環境的にも、今年4月に「働き方改革法案」が施行され、IoT、AI、Fintechなどの技術開発が活発化し、企業のシステム基盤のクライド移行や基幹システムの更新などの投資需要が拡大する状況にあり、同社業績へ好波及することも想定される。

■IPO時の絶対高値期日が一巡し最高値からの調整幅の3分の1戻しから半値戻しを目指す

 株価は、昨年8月に公開価格1750円でIPOされ、4000円で初値をつけ、上場来高値4025円まで買い進まれる高人気となったが、その後、東証マザーズ指数が下落する新興市場離れが同社株にも及んで下値を模索、さらに昨年12月には日経平均株価が一時、1万9000円台を割った全般相場の急落に巻き込まれて上場来安値1554円まで調整した。同安値は、公開価格割れで売られ過ぎとして底上げ、今期2Q累計業績の上方修正に伴う6月通期業績の上ぶれ修正期待もオンして前日6日の取引時間中には2146円まで38%高した。IPO時の絶対高値期日も一巡する好需給も追い風に、まず最高値から最安値への調整幅の3分の1戻し2300円台抜けから半値戻しの2700円台奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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