ラ・アトレは3期連続の最高益めざす、プレミアムリノベーションマンションなど拡大

◆今期3円増配へ、海外機関投資家へのIR(投資家向け広報)も推進

ラ・アトレ<8885>(JQS)の2018年12月期の連結決算(2月14日発表)は、引き続きプレミアムリノベーションマンションなどの再生不動産販売部門や、都市型商業施設を含む新築不動産販売部門を中心に利益面での拡大が続き、経常利益は9.40億円(同53.5%の増加)となり、2期連続で最高を更新した。親会社株主に帰属する当期純利益も6.24億円(同38.8%の増加)と最高を更新した。(HC)

◆中期計画では東証本則市場へのステージアップ(市場変更)もめざす

 一方、売上高は77.20億円(同6.7%減)となったが、これは主に、平米当たり単価の上昇が続く新築分譲マンション事業で地域性を考慮しつつ、他社との競合を避けるなど、数量を追求しない戦略を採ったことが要因。利益面では、新築不動産販売部門のセグメント利益は同51.0%の増加となった。

 再生不動産販売部門では、中古マンション市場の活況を追い風に、1棟リノベーションのヴィンテージリノベーションマンション「ラ・アトレ御苑内藤町グランガーデン」や1戸2億円を超える「200Million-Renovation」の取り扱い拡大などが寄与した。新築不動産販売部門では、収益不動産の都市型商業施設「A*G神宮前」や新築分譲マンション「ラ・アトレレジデンス下総中山」、土地企画販売業務「高田馬場プロジェクト」などが寄与した。また、不動産管理事業では、訪日外国人観光客の需要拡大などに対応したレジデンシャルタイプのホテル「LAホテル福岡」(福岡市)がオープンし収益貢献を開始した。

◆今期は創業30周年の準備年

 今期・2019年12月期は、創業30周年(20年12月期)に向けた準備年として、収益不動産開発では都市型商業施設の「A*G中目黒」、「A*G高円寺」のプロジェクトを推進するほか、新築分譲マンションでは「ラ・アトレレジデンス新百合ヶ丘」などの販売を開始する。再生不動産販売部門では、「パークコート赤坂ザタワー」など、販売価格が1戸2億円を超えるプレミアムリノベーションマンション・シリーズなどの拡大を引き続き推進する。

 また、スマートフォン向けサービス&ソリューション事業などのアクロディア<3823>(東2)、フリーWi-Fiスポット構築事業などのファイバーゲート<9450>(東マ)などとの協業・連携によりIoTマンション開発も進める。国内・海外機関投資家へのIR推進も積極化するとした。

 こうした取り組みにより、今期・2019年12月期の連結業績予想は、売上高が一気に100億円台に乗る計画の152.30億円(前期比97.3%の増加)、経常利益は11.0億円(同17.0%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は7.63億円(同22.2%の増加)とした。予想1株利益は144円65銭。3期続けて最高益を更新することになる。配当(期末一括)は1株当たり3円増の17円を予定する。

 また、中期計画(2019年12月期~21年12月期)では、20年に創業30周年を迎えるため、事業ポートフォリオの拡大(マルチチャネル化の推進)、経営指標の再構築と実践的財務戦略の実現、東証本則市場へのステージアップ(市場変更)などを推進し、到達年度の連結売上高を201.76億円、親会社株主に帰属する当期純利益は10.66億円などとする目標を掲げた。(HC) 

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る