ヤマシタヘルスケアホールディングスは24年5月期1Q減益だが進捗率順調で通期上振れ余地

(決算速報)
 ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、9月29日の取引時間終了後に24年5月期第1四半期連結業績を発表した。販管費の増加などで減益だったが、売上面は検査用機器等の設備投資需要が堅調に推移し、医療機器消耗品も回復基調だった。通期予想は据え置いた。特需の反動や不透明感などを考慮して減収、営業・経常減益、当期純利益は特別損失一巡して増益、配当は増配予想としている。ただし第1四半期の進捗率が順調だったことを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は8月の直近安値圏から切り返して戻り歩調だ。目先的には第1四半期減益を嫌気する可能性もあるが、通期上振れ余地や1倍割れの低PBRも評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■24年5月期1Q減益だが進捗率順調で通期上振れ余地

 24年5月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比4.1%増の140億21百万円、営業利益が24.4%減の1億96百万円、経常利益が22.3%減の2億13百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が1.8%減の1億62百万円だった。販管費の増加などで減益だったが、売上面は検査用機器等の設備投資需要が堅調に推移し、医療機器消耗品も回復基調だった。

 医療機器販売業は、売上高が4.1%増の139億97百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が6.5%減の4億55百万円だった。売上高の内訳は、一般機器分野(画像診断機器、放射線診断装置など)が5.0%増の15億07百万円、一般消耗品分野(手術関連消耗品など)が4.4%増の61億59百万円、低侵襲治療分野(内視鏡、サージカル備品など)が0.4%増の34億25百万円、専門分野(整形、理化学、透析など)が7.4%増の26億08百万円、情報・サービス分野(設備保守メンテナンスなど)が9.8%増の2億96百万円だった。

 医療機器製造・販売業は売上高が3.0%増の73百万円で利益が47.8%増の7百万円、医療モール事業は売上高が5.6%増の17百万円で利益が1百万円(前年同期は0百万円)だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が134億71百万円で営業利益が2億59百万円、第2四半期は売上高が141億90百万円で営業利益が3億39百万円、第3四半期は売上高が140億64百万円で営業利益が2億97百万円、第4四半期は売上高が164億70百万円で営業利益が2億61百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年5月期比6.8%減の542億15百万円、営業利益が44.5%減の6億41百万円、経常利益が43.4%減の6億82百万円、親会社株主帰属当期純利益が111.8%増の4億64百万円としている。配当予想も据え置いて、23年5月期比7円増配の55円(期末一括)としている。予想配当性向は30.3%となる。

 特需の反動や不透明感などを考慮して減収、営業・経常減益、親会社株主帰属当期純利益は特別損失一巡して増益、配当は増配予想としている。ただし第1四半期の進捗率が売上高25.9%、営業利益30.6%、経常利益31.2%、親会社株主帰属当期純利益34.9%と順調だったことを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は8月の直近安値圏から切り返して戻り歩調だ。目先的には第1四半期減益を嫌気する可能性もあるが、通期上振れ余地や1倍割れの低PBRも評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。9月29日の終値は2118円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS181円78銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の55円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3097円34銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約54億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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