建設技術研究所は急反発して戻り試す、19年12月期2桁増益予想

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 建設技術研究所<9621>(東1)は総合建設コンサルタント大手である。中期ビジョンではマルチインフラ&グローバル企業を目指している。18年12月期はM&Aも寄与して大幅増益だった。インフラ整備関連の需要が高水準に推移して19年12月期も2桁増益予想である。株価は急反発の動きとなった。戻りを試す展開を期待したい。

■総合建設コンサルタント大手

 総合建設コンサルタント大手で河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持っている。収益面では案件ごとの採算性や売上計上時期によって四半期収益は変動しやすい特性がある。

 中長期ビジョン「CLAVIS2025」目標(25年単体受注高400億円、連結受注高600億円)達成に向けて、中期経営計画2018では目標値として18年単体受注高350億円、連結受注高470億円、単体営業利益率7.0%(営業利益24億円)、連結営業利益率6.5%(営業利益30億円)を掲げている。そして英Waterman Group Plc(ロンドン証券取引所上場)を連結子会社化した。

 18年1月には、河川・海岸施設、橋梁、トンネル分野に関して、国際規格ISO55001(アセットマネジメントシステム)の認証を取得した。18年2月にはAIベンチャーの知能技術(大阪市)と資本業務提携契約を締結した。18年3月には関東地方整備局北首都国道事務所と、無人航空機による災害応急対策活動(撮影等)に関する協定を締結した。18年10月にはエスプール<2471>と契約し、障がい者雇用の場としてCTIフレッシュグリーン農場を開園した。

■18年12月期大幅増益、19年12月期も2桁増益予想

 18年12月期の連結業績は、売上高が17年12月期比18.5%増の584億43百万円、営業利益が25.9%増の30億46百万円、経常利益が26.6%増の31億67百万円、純利益が17.3%増の18億93百万円だった。配当は2月14日に3円増額し、17年12月期比でも3円増配の年間25円(期末一括)とした。配当性向は18.7%となる。

 英Waterman Group Plcの連結も寄与して大幅増益だった。国内は受注高が9.0%増の457億28百万円、完成業務収入が3.2%増の409億43百万円、営業利益(連結調整前)が10.2%増の27億59百万円で、海外は受注高が32.2%増の144億74百万円、完成業務収入が81.0%増の176億10百万円、営業利益が2.1倍の2億78百万円だった。

 19年12月期の連結業績予想は、売上高が18年12月期比6.1%増の620億円、営業利益が16.5%増の35億50百万円、経常利益が13.7%増の36億円、純利益が18.8%増の22億50百万円としている。配当予想は18年12月期と同額の年間25円(期末一括)で、予想配当性向は15.7%となる。

 受注高の計画は4.8%増の630億円としている。国土強靭化・維持管理などインフラ整備関連の需要が高水準に推移する見込みだ。収益拡大を期待したい。

■株価は急反発して戻り試す

 株価は1月29日に1335円まで下押す場面があったが、その後は急反発の動きとなった。戻りを試す展開を期待したい。2月18日の終値は1506円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS159円12銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1950円54銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約213億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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