【編集長の視点】ダイセキ環境は親会社ともども今期続伸業績が市場予想を下回り急反落

編集長の視点

ダイセキ環境ソリューション<1712>(東1)は、193円安の1746円と4営業日ぶりに急反落して始まっている。寄り付き段階の東証第1部の値下がり銘柄ランキングでは、ワーストワンとして売られている。前日7日大引け後に親会社のダイセキ<9793>(東1)と同時に2月期決算を発表、今2016年2月期業績をともに続伸と予想したが、いずれも市場コンセンサスを下回っており、利益確定売りが先行している。前日7日に大引け後の決算発表を先取り、いずれも年初来高値を更新したことも反動売りにつながっている。ただダイセキは、72円安の2227円と6営業日ぶりに急反落したあと、6円高と切り返す場面も交錯している。

■首都圏の土壌汚染処理事業が活発化し連続して過去最高純益を更新

ダイセキ環境の業績は、前期が期初予想を下ぶれて着地したものの、今2016年2月期業績は、売り上げ131億7800万円(前期比2.6%増)、経常利益13億4500万円(同10.1%増)、純利益7億8700万円(同10.1%増)と予想され、純利益は、連続して過去最高を更新する。前期業績は、国内の不動産取引や建設需要の拡大で順調に受注件数を伸ばし、建物などの解体現場から発生する廃石膏ボードのリサイクル事業の中部地区でほぼ100%の稼働を続けたが、期末にかけて輸送コストや汚染処理後の土壌の外注コストが値上がりして下ぶれ着地につながった。これに対して今期は、主力の土壌汚染調査・処理事業やリサイクル事業、環境分析事業で三大都市圏での事業基盤整備に加え、九州・中国地方、東北地方でも営業拠点を強化、今年4月に仙台リサイクルセンターが操業を開始することなどが要因となる。ただ利益は、それぞれ市場コンセンサスに1億円強、5000万円強未達となる。

一方、親会社のダイセキの業績も、前期業績が期初予想を下ぶれ、今2016年2月期業績を売り上げ472億円(前期比3.1%増)、経常利益78億6000万円(同5.6%増)、純利益43億2000万円(同7.0%増)と続伸と予想したが、利益は市場コンセンサスに4億円~2億円届かない。子会社のダイセキ環境の土壌分析・処理事業は順調に推移するが、リサイクル燃料の再生重油の販売価格が、原油価格安の影響を受けていることなどが響いている。

■PERは15倍台と割安も25日線水準固めになお日柄

ダイセキ環境の株価は、前期第3四半期業績が前期通期業績に対して低利益進捗率にとどまったことで年初来安値1543円まで売られ、下げ過ぎとして期末の配当権利取りを伴って同高値1938円へ26%高、3分の1押し水準で値固めを続けてきた。PERは15倍台と売られ過ぎを示唆しているが、目先の反動売りをこなす25日移動平均線水準での中段固めが長引きそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京・愛知・兵庫で屋外広告も掲出、号外や無料バッティング企画も実施  Major League …
  2. ■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証  森永乳業<2264>(東証プライム)は7月2…
  3. ■「日本栄養・食糧学会大会」で研究成果発表、科学的根拠を提示  味の素<2802>(東証プライム)…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  2. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  3. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  4. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  5. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  6. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る