【編集長の視点】インターワークスは急反落も期末配当の権利取りをテコに公開価格水準から底上げ余地

編集長の視点

 インターワークス<6032>(東マ)は、97円安の1752円と4営業日ぶりに急反落して始まり、昨年12月22日の新規株式公開(IPO)時の公開価格1750円水準で再度、下値を確認する動きとなっている。きょう17日にコラボス<3908>(東マ)など2銘柄が、1カ月ぶりにIPOされ、一部乗り換えもあって同社株には売り先行となっている。ただ同社株は、今3月期業績を2ケタ増収増益と続伸を予想し、新興市場のIPO株として異例に今期配当を30円と予想していることもあり、期末接近とともに配当権利取りの再燃をテコに、下げ過ぎとして買い優勢となる展開も想定される。

■人手不足を背景に「工場WORKS」の求人掲載件数が増加

同社の今3月期業績は、売り上げ30億7700万円(前期比15.3%増)、経常利益5億9900万円(同29.4%増)、純利益4億600万円(同38.4%増)と続伸が予想されている。同社は、インターネットメディアによる人材のマッチングサービス事業を展開しており、求人企業からの求人依頼を広告掲載として提供、掲載料金を受け取る広告型メディアとしていることを独自のビジネスモデルとしている。この広告型のメディア事業では、製造業界、アパレル業界、販売向け、オフィスワーク向けに特化した4サイトを運営、求職者への高い訴求力と求人企業の採用効率化を実現していることが、業績続伸要因となっている。

IPO後の初決算となった今年2月9日に発表した今期第3四半期決算は、四半期決算が初作成となるため前年同期との比較はないが、3月通期業績対比の利益進捗率は、76%~75%と目安の75%をクリアし順調に推移した。製造業界向けのサイト「工場WORKS」が、製造業での人手不足感を背景に掲載件数が増加し、1社当たりの顧客単価の改善を実施、顧客の支持を獲得したことなどが要因となった。期末配当は、30円(前期実績6万円)と株式分割(1対2000)勘案で前期の横並びと安定継続を予定している。

■3分の1戻し水準を固め直近IPO株人気再燃で全値戻しへ弾み

株価は、公開価格を約17%上回る2043円で初値をつけ上場来高値2580円まで上値を追ったが、全般相場の波乱展開とともに上場来安値1347円まで調整、公開価格割れでPER15倍台、配当利回り2.22%は売られ過ぎとして底上げに転じ公開価格をクリアしてきた。最高値から最安値までの調整幅の3分の1戻しを達成したところであり、期末配当権利取りで直近IPO株人気を高め半値戻し、全値戻しとリバウンド幅を拡大させよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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