【編集長の視点】東証1部指定替えの丸和運輸はもみ合いも需給好転の現実買い期待が底流

編集長の視点

丸和運輸機関<9090>(東1)は、きょう10日に東証第2部から同第1部に指定替えされて売買がスタートしており、前日の東証第2部の終値に対して13円高の2748円と続伸して始まったあと、20円安と下ぶれるなどもみ合いを続けている。

指定替え承認を前に今年3月16日払い込みで新株式発行(発行価格2419円)・株式売出しを実施したが、指定替えの形式要件を充足することを目的の一つとしていることから希薄化懸念はなくポジティブに評価され400円高しており、利益確定売りも交錯している。ただ、下値では、指定替えに伴う東証株価指数(TOPIX)算入でTOPIX連動型のファンドなどの買い需要が発生する需給好転の現実買い期待も根強く続いている。目下集計中で5月12日に発表予定の前2015年3月期業績が、増益転換すると見込まれていることも、割安修正材料として注目されている。

■東証2部へのIPOからわずか1年で東証1部指定替えと早期昇格

同社は、昨年4月8日に公開価格3400円で東証第2部に新規株式公開(IPO)され、それからたった1年での東証第1部への早期指定替えを実現した。この間、前期配当に上場記念配当20円を上乗せして年間130円配当に増配し、昨年9月30日を基準日とする株式分割(1対2)を実施するなど株主還元策に積極姿勢をみせた。今回の指定替えを前にしたファイナンスも、小売企業向けの物流業務を一括受託して戦略的に提供するサード・パーティー・ロジステック(3PL)事業の設備投資強化・人材採用と、同社株式の分布状況の改善と流動性向上による指定替え要件の充足との2つを目的としただけに、ポジティブに評価され需給好転期待が優勢となった。

一方、前2013年3月期業績は、小売業に特化した物流企業として食品スーパーからネットスーパーまで3PLをワンストップで提供し、新規に稼働した食品物流センターが軌道に乗ったことなどで高止まりした燃料調達価格やドライバー不足をカバーして増益転換、売り上げ533億2900万円(前期比3.6%増)、経常利益28億5800万円(同2.8%増)、純利益16億5000万円(同5.7%増)と見込んでいる。今年2月に発表した前期第3四半期業績は、2ケタ増益となって通期予想業績に対して高利益進捗率となっており、決算発表時の上ぶれ着地や次期2016年3月期業績のガイダンス(予想)への期待を高める。

■権利落ち後安値から7割高もなおPERは12倍台と割安

株価は、株式分割を歓迎して上場来高値4400円をつけ、分割権利落ち後は、落ち後安値1717円から原油価格下落と好業績評価、さらに東証1部指定替えが続いて同高値2939円まで7割高、スピード調整中である。前期業績推定ベースでもPERは、12倍台と割安であり、高値奪回から株式分割の権利落ち埋めに拍車を掛けよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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