【編集長の視点】丸大食品、上方修正・増配を背景に上昇基調強まる、ブラックフライデーも後押し

■増益・増配で投資妙味高まる

 丸大食品<2288>(東証プライム)は、前日11日に81円高の2092円と3営業日続伸して引け、取引時間中には2110円と買われ、9月25につけた年初来高値2104円を更新した。今年11月10日に発表した今2026年3月期業績の上方修正で、純利益が、期初の減益転換予想から増益となって連続して過去最高を更新し、配当も増配を予定していることを手掛かりにバリュー株買いが増勢となった。イオン<8267>(東証プライム)が、11月22日から展開する大規模セール「ブラックフライデー」で、同社の「丸大食品ハッピーバッグ」が、お買い得商品に取り上げられていることも先取り材料となっている。

■加工食品の販売が堅調に推移し価格改定効果も上乗せ

 同社の今2026年3月期業績は、今年10月27日に今期第2四半期(2025年4月~9月期、2Q)累計業績が上方修正されたあと、2Q累計決算発表時に今度は今3月期通期業績が上方修正された。売り上げは期初予想より20億円引き下げられたが、逆に営業利益と経常利益は各10億円、純利益は7億円引き上げられ売り上げ2380億円(前期比1.3%増)、営業利益70億円(同28.0%増)、経常利益74億円(同22.2%増)、純利益55億円(同0.2%増)と続伸を見込んだ。食肉事業で米国産牛肉の販売が想定を下回り売り上げが下ぶれたが、加工食品の販売が堅調に推移し価格改定効果も上乗せになったことなどが要因となった。純利益は、前期に計上した固定資産売却益24億7600万円が一巡するため減益転換を予想したが、これをカバーして増益となり前期の過去最高(54億8800万円)を小幅ながら更新する。

 業績上方修正に伴い今期年間配当を期初予想の55円から60円(前期実績50円)に引き上げ、連続増配幅の拡大を予定している。

■ミニGC示現でPER8倍、PBR0.7倍、配当利回り3%の修正に再発進

 株価は、トランプ関税による世界同時株安時に年初来安値1554円へ突っ込んだが、前期業績の再上方修正で1895円と持ち直し、今期業績の続伸・連続増配予想に今期第1四半期の好決算が続いて年初来高値2104円まで買い進まれた。同高値後は、1800円台で下値を固める調整が続き、今期業績の上方修正・増配とともに2000円台を回復し、5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは9.3倍、PBRは0.7倍、配当利回りは3.1%となお割安であり、上値チャレンジを続け、2019年11月につけた上場来高値2474円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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