日本エム・ディ・エムの19年3月期連結業績は、国内の償還価格引下げを跳ね返し、国内、米国共に順調で増収増益

■米国では人工関節分野が順調に推移し、売上高65億66百万円(前年同期比24.8%増)

 日本エム・ディ・エム<7600>(東1)の19年3月期連結業績は、国内の償還価格引下げを跳ね返し、国内、米国共に順調で増収増益となった。

 4月15日に連結売上高と純利益を増額修正しているように、ほぼ当初予想を上回る数値で着地した。

 同社は、人工関節製品、骨接合材料、脊椎固定器具など整形外科分野を主力とする医療機器専門商社で、メーカー機能強化による高収益体質への転換することで、国内の償還価格の引下げに対応し、一方で、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品を拡販することで業績を拡大している。


 19年3月期の売上高は、日本国内において償還価格の引下げが行われたが、骨接合材料分野、脊椎固定器具分野及び人工骨分野が順調に推移したことから、国内売上高101億62百万円(同6.5%増)と伸張した。米国においても人工関節分野が順調に推移し、外部顧客への売上高はUSドルベースで前年度比24.9%増、円換算後は65億66百万円(同24.8%増)となった。

 人工関節分野は、日本において人工股関節製品の売上が減少したものの、米国において人工股関節製品「Entrada Hip Stem」や人工膝関節製品の売上が順調に推移したことにより、日本国内及び米国の売上高合計は108億50百万円(同12.3%増)(日本国内3.3%減、米国25.6%増)であった。

 骨接合材料分野は、「OM Femoral NailシステムⅢ(商品名:ASULOCK)」及び「ARISTOネイルシステム」の売上が順調に推移し、日本国内の売上高は35億99百万円(同13.1%増)と伸張した。

 脊椎固定器具分野は、「KMC Kyphoplastyシステム」及び「リゾルブ ハローシステム」の売上が順調に推移し、日本国内及び米国の売上高合計が19億34百万円(同15.8%増)(日本国内18.1%増、米国40.3%減)となった。

 売上原価率は、自社製品売上高比率が85.9%(前年度88.6%)に低下したことと償還価格の引下げの影響により、29.4%(同28.1%)となった。

 販売費及び一般管理費合計は、給料及び手当、支払手数料等の増加により、95億76百万円(同11.4%増)となったが、売上高販管費率は57.2%(同58.1%)に低下した。

 その結果、19年3月期連結業績は、売上高167億28百万円(前年同期比13.0%増)、営業利益22億34百万円(同9.3%増)、経常利益22億08百万円(同12.4%増)、純利益19億84百万円(同39.2%増)となった。

 19年3月期も好調に推移したことから、配当については、1円増配の9円となった。

 今期については、日本国内で実施された償還価格引下げの影響や、対ドル為替レートが1ドル106円から110円レベル(2019年3月末時点)へと円安水準になったことによる収益性低下の影響を極小化するため、売上原価(製造原価)の低減に向け、欧州を中心としたコスト競争力のあるベンダーからの調達拡大や、米国子会社の自社製造能力拡大などによる売上原価低減を進めている。

 20年3月期連結業績予想は、売上高182億円(前期比8.8%増)、営業利益24億60百万円(同10.1%増)、経常利益23億80百万円(同7.8%増)、純利益17億20百万円(同13.3%減)を見込む。

 配当については、好業績が見込めることから1円増配の10円を予想している。

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