メディカル・データ・ビジョンは前場ストップ高、収益構造に厚みも

■費用先行の第1四半期に大幅黒字となり注目集中

メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は5月14日前場、ストップ高の1137円(150円高)となった。5月13日に発表した2019年12月期・第1四半期の連結決算(2019年1月~19年3月)は、引き続き、保有する大規模診療データベースを用いた「データ利活用サービス」事業の売上高が前年同期比30%拡大するなど好調で、連結売上高は前年同期比23.5%増加して8.69億円となった。

■カーダボックス順調で重点子会社の黒字化目標も進展

 営業利益は前年同期の0.3億円の赤字に対し1.02億円の黒字となり、親会社株主に帰属する四半期純利益も同じく0.5億円の赤字から0.68億円の黒字に転換した。同社の事業特性として、第1四半期は費用先行型のため赤字になることが少なくなかったが、今期は、2大目標(重点子会社の黒字化、CADA-BOX:カーダボックスの受注拡大)への取り組みが進ンでいるとしたほか、。データ利活用サービスのひとつであるアドホック調査サービスの売上高が期初から一段と拡大して同40.3%増加したという。収益構造に厚みが出てきた可能性がある。

■収益構造は外資系製薬企業の予算執行時期などにより下期型

 CADA-BOX(カーダボックス)の導入数は、決算短信(第1四半期末の段階)では7病院(稼動済み5病院、稼動準備中2病院)だったが、直近・5月13日現在は導入数が8病院(稼動済み6病院、稼動準備中2病院)に増加している。この中には千葉大学医学部附属病院もあり、今後の拡がりが注目されている。

 今期・2019年12月期の連結業績見通しは期初の予想を継続し、売上高は42.50億円(前期比18.8%の増加)、営業利益は50.0億円(同42.2%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は2.79億円(同4.0倍)、1株利益は6円98銭を据え置いた。ただ、同社の事業特性は、外資系製薬企業の予算執行時期などにより第3、第4四半期型になる。(HC) 

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る