【新規上場(IPO)銘柄】ツクルバは7月31日に上場、換金売り一巡で上値を試すか注目

株式市場 IPO 鐘

 ツクルバ<2978>(東マ)は、本年7月31日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、生活領域における社会課題をコミュニティ型アプローチで解決する、場の発明カンパニーで、2016年度GOOD DESIGN賞、GooglePlayベストオブ2018隠れた名作部門・優秀賞、テクノロジー企業成長率ランキング「日本テクノロジー Fast50」2017年・18年と2年連続で受賞。「場の発明を通じて欲しい未来をつくる」というミッションのもと、建築・不動産・テクノロジーをかけあわせた場のデザインを行っている。


 「cowcamo(カウカモ)」事業では、数ある中古・リノベーション住宅の中から理想の「一点もの」との出会いを提供し、あなたらしい暮らしを実現させるためのサービスで、暮らしの妄想から、不動産の購入、その時々の仕立て直し、そして次の住まい手へのバトンパスまで、すべてのプロセスを一貫してサポートしている。

 「シェアードワークプレイス事業」では、スタートアップ、個人事業主、クリエイターなどの”チャレンジする人・組織”を主要な顧客としたコワーキングスペース「co-ba(コーバ)」、成長中のスタートアップ向けに企業の成長や変化に合わせて柔軟にオフィススペースをレンタルすることができる「HEYSHA(ヘイシャ)」の2つのサービスを提供している。また、ワークスペースの仲介・設計等の受託サービスも展開している。

 前2019年7月期第3四半期業績実績は、売上高10億8500万円、営業利益1100万円、経常利益600万円、純利益600万円に着地。

 前19年7月期業績予想は、売上高14億9600万円(前期比2.8倍)、営業損益500万円(同4億8500万円の赤字)、経常損益100万円の黒字(同4億8600万円の赤字)、最終損益はトントン(同4億0100万円の赤字)を見込む。上場で調達資金は、広告宣伝費、システム開発費、事業拠点開発費、採用費や人件費などに充てる計画で、年間配当は、無配を予定している。

 株価は、上場初日の7月31日に公開価格の2050円で初値つけ、同日高値2250円と買われた後、8月2日安値1980円と売られている。2005年に2割程度であった築25年以上の中古マンションの比率は2025年には全体の半分を占めると予想されており、新築にこだわらない都市型ライフスタイル生活者をターゲットに、リノベーション住宅に対する需要は増加し、中長期では収益機会が増える見通し。目先公開価格を下回り、更に2000円を割り込んだことから、換金売りが一巡した感がある。ここから上値を試す展開となるか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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