【株式評論家の視点】ツナググループHDは「ショットワークスデリバリー」が順調な滑り出し、底値買い妙味膨らむ

株式評論家の視点

ツナググループ・ホールディングス<6551>(東1)は、2017年6月30日に東京証券取引所マザーズに上場。同社グループは、「採用市場におけるインフラ企業を目指す」というビジョンのもと、HRマネジメント事業、メディア&テクノロジー事業、スタッフィング事業の3つの事業セグメントをHD(純粋持株会社)制で、事業運営している。


HRマネジメント事業では、集客から採用、定着化までのワンストップな人材アウトソーシング及びツールの提供を行っている。主力のRPOサービス領域に加え、スタッフの離職防止サービスを提供する定着領域、原稿制作や社内イベントを受託する業務代行領域、派遣スタッフの研修店舗を兼ねたコンビニ店舗を運営するコンビニ領域がある。

 メディア&テクノロジー事業では、求人メディアを含むマッチングサービスと、HR領域でのIT技術を活かした、いわゆるHR-TECHサービスの提供を行っている。

 スタッフィング事業では、東北エリア・関東エリア・北陸エリアを中心とした派遣事業を展開しているほか、新たな人材供給サービスとして日々紹介事業を開始。新たにはじめた日々紹介事業は、派遣サービスではカバーできなかった短期単発ニーズに対応可能なことから、3月から営業を開始して、6月末時点で契約店舗数は100店舗を超えており、業績に一部寄与している。

 今2019年9月期第3四半期業績実績は、売上高70億6400万円(前年同期比10.9%増)、営業利益1億5000万円(同13.8%減)、経常利益1億3600万円(同28.4%減)、純利益1900万円(同71.5%減)に着地。

 今19年9月期業績予想は、売上高100億円(前期比15.4%増)、営業利益2億5000万円(同7.8%増)、経常利益2億9000万円(同16.7%増)、純利益1億2500万円(同27.0%増)を見込む。年間配当予想は、期末一括2円継続を予定している。

 株価は、2017年7月26日高値2306.7円から18年12月25日安値505円と調整、6月14日年初来安値486円、8月23日安値510円と下げて底値を確認した感がある。今19年9月期第3四半期は、メディア&テクノロジー事業における各採用マッチングサービスの伸びが顕著だったほか、本年3月にスタートした、デリバリーサービス『出前館』を運営する夢の街創造委員会株式会社との業務提携を背景に生まれた「ショットワークスデリバリー」も順調な滑り出しで、2ケタ増収を達成したことが注目される。来20年9月期はのれん及びM&Aに関連する費用の負担がなくなり、大幅増益に転じる可能性が高く、押し目買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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