【編集長の視点】小松ウオールは連続最高純益・増配予想も前期業績の下ぶれ着地が響き急反落

編集長の視点

小松ウオール工業<7949>(東1)は、106円安の2503円と3日ぶりに急反落して始まり、2月5日につけた年初来安値2451円を覗いている。前日22日大引け後に3月期決算を発表、今2016年3月期業績の増益転換、連続最高純利益更新と連続増配を予想したが、前2015年3月期業績が、期初予想を下ぶれて着地したことを嫌い目先の利益を確定する売り物が先行している。

■可動間仕切が首都圏の大型新築新ビル向けの移転需要を享受

前2015年3月期業績は、利益が期初予想を8億円~6億円下ぶれ、前々期比4.5%増収、1.8%経常減益、10.2%純益増益となったが、ただ純利益は、連続して過去最高を更新した。品目別では、可動間仕切の「マイティウォル」高級化志向を受けて好調に推移し、用途別では首都圏の再開発などの大型新築ビルの移転需要で事務所・オフィス向けや、学生確保のために設備投資を急ぐ学校・体育施設向けなどが続伸、NCT自動倉庫複合システムや上下桟自動スポット溶接ラインの国内最先端の最新設備を導入し生産体制の整備を進めたことなどが寄与した。

今2016年3月期業績は、前期末受注残が、104億5000万円(前々期末比11.5%増)に達したことなどから続伸、売り上げ335億円(前期比10.6%増)、経常利益41億円(同5.7%増)、純利益27億円(同8.2%増)と予想、純利益は、前期の過去最高をさらに更新する。配当は、前期に55円(前々期実績50円)に連続増配したが、今期は、さらに60円と増配を予定している。

■PER9倍台、PBR0.9倍、配当利回り2.3%と売られ過ぎ示唆

株価は、前期第3四半期決算が、連続増益となったものの3月通期業績に対して低利益進捗率にとどまったことが響いて年初来安値2451円と下ぶれ、期末の配当権利取りで25日移動平均線水準まで持ち直した。きょう23日寄り付きの急反落でPERは9倍台、PBRは0.8倍、配当利回りは2.39%と売られ過ぎを示唆しており、目先売り一巡後に年初来高値2791円奪回へ再発進も想定される。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る