【編集長の視点】WDBココは3Q好決算をテコに業績上ぶれ着地期待を高め急反発

WDBココ<7079>(東マ)は、前日30日に294円高の2342円と急反発して引け、東証マザーズ市場の値上がり率ランキングの第7位に躍り出た。今年3月17日に売られた上場来安値1752円からの底上げを鮮明化させた。今年2月7日に発表した今2020年3月期第3四半期(2019年4月~12月期、3Q)決算が、昨年12月25日の新規株式公開(IPO)時に開示した2020年3月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことを見直し、通期業績が上ぶれ着地するとして売られ過ぎ訂正買いが再燃した。国内中堅証券が、最上位格付け、強気の目標株価で新規にカバーを開始したことも、フォローの材料視されている。

■3Q営業利益・経常利益は通期予想をすでにオーバー

 同社のIPO後の初決算となった今期3Q業績は、売り上げ17億400万円、営業利益4億300万円、経常利益3億9000万円、純利益2億5400万円で着地した。3Q業績は、初作成となるため前年同期比較はないが、今3月期通期予想業績に対する進捗率は、売り上げが78%と目安の75%を上回り、営業利益と経常利益は通期利益を各100万円オーバーし、純利益の進捗率も、96.9%となった。主力のCRO(医療業務支援)事業で、安全性情報管理サービスの仕掛品が売り上げ計上され、ドキュメントサポートサービスも前期に新規受注した案件が継続し、臨床開発支援サービスでも新規受注案件のサービスを開始したことが要因となった。

 今2020年3月期通期業績は、3Qの好決算にもかかわらず、第4四半期に未執行の経費の発生や人件費の増加などがあるとしてIPO時予想を据え置いた。売り上げ21億8200万円(前期比22.5%増)、営業利益4億200万円(同19.1%増)、経常利益3億9100万円(同15.8%増)、純利益2億6200万円(同10.8%増)と見込み、連続して過去最高を更新する。ただ3Q業績の高利益進捗率からも保守的との見方が台頭、東洋経済会社四季報最新号では、今期純利益を2億8000万円と観測している。

■3分の1戻しから強気の目標株価設定も支援し全値戻し目指す

 株価は、昨年12月に公開価格1530円でIPOされ、3400円で初値をつけ、直ちに上場来高値3625円まで買い進まれる高人気となった。同高値後は、新型コロナウイルスの感染拡大による世界同時株安に巻き込まれて2865円まで調整、今期3Q好決算を手掛かりに3250円までリバウンドし、その後の2157円安値から国内中堅証券の強気投資判断でも2590円まで切り返したが、感染拡大が欧州、米国に広がったことで再々調整、上場来安値1752円まで売られた。足元では、同安値からは売られ過ぎとして600円超幅の底上げをし25日移動平均線をクリアした。上場来高値から上場来安値への調整幅の3分の1戻しを達成したところで、目標株価を5000円に設定した強気投資判断にも支援され、半値戻しの2600円台奪回から全値戻しを目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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