【編集長の視点】GMOインターは年初来高値を射程圏、3Q好決算・増配を見直しクラウド関連株買いが再燃

 GMOインターネット<9449>(東1)は、前日19日に95円高の2181円と4営業日ぶりに急反発して引け、11月13日につけた年初来高値2254円を射程圏に捉えた。今年11月12日に発表した今2019年3月期(2019年1月~9月期、3Q)決算を見直しクラウド関連株買いが再燃した。3Q業績は、2ケタ増益と続伸し、導入している四半期配当でも3Q配当を増配した。株式需給的にも、売り長で逆日歩のつく好需給となっており、騰勢に拍車を掛けると期待されている。

■岩盤収益事業のインターネットインフラ事業が過去最高と好調推移

 同社は、グループのインターネット金融事業や仮想通貨事業などが経済情勢や金融市場などの市場環境の影響を受けるため、業績予想を行うことは困難として通期業績や配当金の予想を非開示として、四半期業績と子会社のGMOフィナンシャルホールディングスの月次動向を早期開示することを基本としている。その今12月期3Q業績は、売り上げ1470億1300万円(前年同期比7.2%増)、営業利益199億3000万円(同15.1%増)、経常利益192億9100万円(同16.8%増)、純利益66億1500万円(同7.6%増)と続伸して着地し、3Q配当も、7.2円(前年同期実績5.5円)に増配した。

 インターネッと市場にクラウドサービス、人工知能、ブロックチェーンなどの新テクノロジーが次々と登場するなか、岩盤収益事業のインターネットインフラ事業で、決済事業・セキュリティ事業の利益率の高い商材が伸長したほか各事業も好調に推移して最高業績を更新し、インターネット金融事業でもFX取引の顧客基盤、取引高が拡大して復調、高い収益率を維持したことなどが要因となった。

 配当については、同社は総還元性向50%を基本として、自己株式取得と配当性向33%以上の利益還元策を進めており、3Q配当は7.5円として配当性向33.1%と30%超をクリアした。今期3Qまでの合計配当は19.2円(前年同期実績17.7円)と増配されており、前期年間配当実績が29.5円なっていることから期末配当への期待も高めている。

■400円幅のボックスを上抜き信用好需給も加わって上値チャレンジに弾み

 株価は、自己株式取得の進捗と四半期配当の権利取りで2000円大台に乗せ、仮想通貨の変動が響いて1600円台で下値確認するなど400円幅のボックス往来を続け、3Q好決算・増配とともにこのボックス上限を上抜き年初来高値2254円まで買い進まれた。この株価急伸とともに再び信用買い残が減少するととともに信用売り残が積み上がり、売り長となり逆日歩のつく好需給となっている。売り方のショートカバーも加わって上値にチャレンジ、年初来高値抜けから昨年6月高値3030円へのキャッチアップを強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る