【株式評論家の視点】メルカリはモミア合い、市場の関心は20年6月期業績見通しに向く

株式評論家の視点

メルカリ<4385>(東マ)は、昨年6月19日に東京証券取引所マザーズに上場。同社は、フリーマーケットアプリの国内最大手で、スマートフォンにおいて個人間で簡単にモノを売買できるCtoCマーケットプレイス「メルカリ」の企画・開発・運用等を行っている。

 同社グループは、「メルカリ」で培った技術力と膨大な顧客・情報基盤をもとに、非接触決済サービス「iD」に対応したスマホ決済サービス「メルペイ」の提供を本年2月13日に開始。更に3月14日にはコード決済機能「コード払い」にも対応し、「iD」加盟店と合わせて、全国135万か所の加盟店(順次対応予定)で「メルペイ」の利用が可能となる。サービスの拡充を通して利便性を高め、同4月17日には「メルペイ」登録者数が100万人を突破し、「メルペイ」登録者数は順調に増加している。今後も業種・業界を超えた中立でオープンなパートナーシップを推進していく「OPENNESS」戦略によって、キャッシュレスの普及促進に貢献している。

 足元の業績は、今2019年6月期第3四半期業績実績が、売上高373億7800万円(前年同期比43.0%増)、営業損益59億8100万円の赤字(同18億9600万円の赤字)、経常損益59億9300万円の赤字(同19億5100万円の赤字)、最終損益73億4100万円の赤字(同34億3400万円の赤字)に着地。同社グループは、CtoCマーケットプレイス「メルカリ」の継続的な成長に向けて、TVCMやオンライン広告を中心としたマーケティング施策に加え、CRM施策やカテゴリー強化施策を行ったことでMAU及び購入単価が着実に増加。カテゴリー別では特にエンタメ・ホビーが伸長しており、これは玩具やトレーディングカードの売買の増加に加え、本・DVD等におけるバーコード 出品機能経由の取扱高が増加したものの、広告宣伝の使用や人件費の増加で、赤字幅が膨らんだ。

 今19年6月期業績予想は、売上高500~520億円(前期比39.8~45.4%増)を見込む。年間配当予想は、無配を予定している。

 株価は、昨年6月19日につけた上場来高値6000円から同12月26日につけた上場来安値1704円まで調整を挟んで3月28日に年初来高値3545円と上昇。その後は、26週移動平均線を下値にモミ合っている。市場の関心は来20年6月期業績の見通しに向いており、手控えムードが強く感じられる。信用買残が依然として高水準で、日柄調整は続きそうだが、大きく突っ込む場面があれば、目先の反発狙いで買いを考えるところか。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る