マーケットエンタープライズの第3四半期は新型コロナの影響が限定的で売上高・営業利益とも過去最高を更新

■今期から「ネット型リユース事業」「メディア事業」「モバイル通信事業」の3区分で開示

マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)の2020年6月期・第3四半期決算(2019年7月~20年3月、累計)は、売上高が78億8561万円(前年同期比31.4%増)となり、営業利益は4億4319万円(同55.2%増)と大幅に拡大した。

■新規事業や付帯事業も収益軌道に乗り営業利益率は0.8ポイント上昇

 「高く売れるドットコム」などで展開するネット型リユース事業の収益性改善に加え、新規事業や付帯事業が収益軌道に乗り、営業利益率は4.8%から5.6%へ0.8ポイント上昇。この期間としては、売上高・営業利益とも過去最高を更新した。親会社株主に帰属する四半期純利益も大幅に伸びて2億4664万円(同81.9%増)となり、最高を更新した。

 新型コロナウイルス流行による影響は出張買取を制限しているほか、全国10ヵ所の拠点で時短営業を行っているが、連結業績への影響は現時点では軽微とした。

■ネット型リユース事業では農機、医療機器などの大型商材も拡大

 同社では、新規事業や付帯事業が軌道に乗ってきたため、今期初から事業区分を3つのセグメントに区分し、前期までの単一セグメント(ネット型リユース事業)での発表を、「ネット型リユース事業」「メディア事業」「モバイル通信事業」の3つのセグメントに区分した。

 「ネット型リユース事業」では、家電、カメラが減少した一方、楽器、音響、PCが増加し、ホビー系(鉄道模型等)が伸長。戦略分野として注力する農機具、建機・医療機器などの法人向け大型商材も順調に拡大した。在庫回転数は16.3日と高回転を維持した。セグメント売上高は52億2944万円、同利益は5億3248万円となった(各、新区分のため前年同期比%なし)。

 「メディア事業」は、「賢い消費」に関する情報を「高く売れるドットコムMAGAZINE」「iPhone格安SIM通信」「SIMチェンジ」「最安修理ドットコム」などで提供し、インターネット広告収益が堅調に推移。セグメント売上高は4億2906万円、同利益は2億8559万円となった。

 「モバイル通信事業」は、連結子会社の株式会社MEモバイルが、「カシモ(賢いモバイル)」のブランドで、低価格かつシンプルで分かりやすい通信プランのモバイルWi-Fiルーター通信サービスを提供。この3月以降は、新型コロナウイルス流行による社会的なテレワークの急増もあり、大幅に需要が増加し、セグメント売上高は24億3010万円、セグメント利益は1億8820万円となった。

 6月通期の連結業績予想については、新型コロナウイルス流行による影響が現段階では軽微とし、従来予想を据え置いた。売上高は100億円(前期比18.0%の増加)、営業利益は6億円(同32.7%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億7000万円(同32.5%の増加)、予想1株利益は51円85銭。売上高、各利益とも連続最高を更新することになる。(HC)

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