ヤマシタヘルスケアホールディングスは24年5月期営業・経常減益予想だが保守的

(決算速報)
 ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、7月14日の取引時間終了後に23年5月期連結業績を発表した。検査・手術件数の回復に伴う診察材料の売上増加などにより計画を上回る大幅営業・経常増益で着地した。当期純利益は特別損失を計上して減益だった。24年5月期は特需反動や不透明感などを考慮して減収、営業・経常減益、当期純利益は特別損失一巡して増益、配当は増配予想としている。ただし保守的な印象が強い。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は4月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だ。目先的には24年5月期営業・経常減益予想を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、下値限定的だろう。

■23年5月期営業・経常増益、24年5月期営業・経常減益予想だが保守的

 23年5月期の連結業績は売上高が22年5月期比5.5%増の581億95百万円、営業利益が24.2%増の11億56百万円、経常利益が20.2%増の12億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が特別損失(貸倒引当金繰入額6億11百万円)を計上して68.5%減の2億19百万円だった。配当は22年5月期比34円減配の48円(期末一括)とした。配当性向は55.9%となる。

 計画(23年3月31日付で売上高、営業利益、経常利益をそれぞれ上方修正、親会社株主帰属当期純利益を下方修正、売上高が556億51百万円、営業利益が10億49百万円、経常利益が11億03百万円、親会社株主帰属当期純利益が1億98百万円)を上回る大幅営業・経常増益で着地した。新型コロナ感染拡大で減少していた検査・手術件数の回復に伴って診察材料の売上が回復・増加した。

 医療機器販売業は、売上高が5.6%増の580億37百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が8.8%増の21億48百万円だった。売上高の内訳は一般機器分野が2.3%増の86億34百万円、一般消耗品分野が3.8%増の240億60百万円、低侵襲治療分野が10.6%増の138億97百万円、専門分野が5.4%増の100億76百万円、情報・サービス分野が12.9%増の13億68百万円だった。

 医療機器製造・販売業は売上高が0.4%減の2億86百万円で利益が39.9%減の12百万円、医療モール事業は売上高が1.1%増の69百万円で利益が0百万円(22年5月期は46百万円の損失)だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が134億71百万円で営業利益が2億59百万円、第2四半期は売上高が141億90百万円で営業利益が3億39百万円、第3四半期は売上高が140億64百万円で営業利益が2億97百万円、第4四半期は売上高が164億70百万円で営業利益が2億61百万円だった。

 24年5月期連結業績予想は、売上高が23年5月期比6.8%減の542億15百万円、営業利益が44.5%減の6億41百万円、経常利益が43.4%減の6億82百万円、親会社株主帰属当期純利益が111.8%増の4億64百万円としている。配当予想は23年5月期比7円増配の55円(期末一括)としている。予想配当性向は30.3%となる。

 24年5月期は特需反動や不透明感などを考慮して減収、営業・経常減益、当期純利益は特別損失一巡して増益、配当は増配予想としている。ただし保守的な印象が強い。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は4月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だ。目先的には24年5月期営業・経常減益予想を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、下値限定的だろう。7月14日の終値は2010円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS181円78銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の55円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3097円34銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約51億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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