【特集】値ごろ妙味のPBR1倍割れの証券株は「閑散に買いあり」となるか?

特集

■今年3月の「第1波」では日経平均をオーバーパフォームして先行性

 今週の特集では、値ごろ妙味がありPBRが軒並み1倍割れとなっている証券株は、「閑散に買いあり」となるか取り上げることとした。かつて証券マンは、株価が急騰すれば昼食に「うな重」を奮発し、翌日に株価暴落となれば白飯に梅干し一つの「日の丸弁当」に甘んじて当たり前とする変わり身の早さを身上としていたとされたが、このしたたかなDNAの残る証券界の夏場のひと働きも期待したい。

 証券株の今年6月までのV字反騰は、日経平均株価と同様に3月の年初来安値からの底上げの「第1波」とその後の4月調整安値から6月高値までの「第2波」で形成された。株価反騰の先行性を発揮したと評価されるのは、年初来安値からの初速の「第1波」のパフォーマンスが、日経平均株価をオーバーパフォームしたからだ。

 日経平均株価の19.5%高に対して多くが30%超の底上げをした。このときの高パフォーマンス銘柄を上位株から上げると、マネックスグループ<8698>(東1)、水戸証券<8622>(東1)、野村ホールディングス<8604>(東1)、岡三証券グループ<8609>(東1)となっており、8月相場でこの「第1波」が再現されるとすれば、またこの4銘柄が先行する可能性はある。

■トータルでは新興市場株、中堅証券株が優位で主力株もキャッチアップ

 日経平均株価は、3月安値1万6358円から6月高値2万3185円まで41.7%の上昇となっているが、「第1波」、「第2波」のトータルでこの上昇率をオーバーパフォームしている証券株も多い。新興市場株のGMOフィナンシャルホールディングス<7177>(JQS)が90.0%、今村証券<7175>(JQS)が67.0%で上位に並び、これに続くのがマネックスグループ、岩井コスモホールディングス<8707>(東1)、水戸証券、松井証券<8628>(東1)で、野村HDも日経平均株価を約2ポイント上回っている。

 これだけの高パフォーマンスでも、GMOFG以外はなお年初来高値には未達となっている。業績悪相場のなかの数少ない好業績株として「巣ごもり投資」でさらに業績期待を高めることも想定され、足元の7月、8月に年初来高値へのキャッチアップを強めてきた岩井コスモ、松井証券、野村HDを中心にマークするところだろう。

【関連記事情報】
【どう見るこの相場】「閑散相場」か「サマーラリー」か「巣ごろもり投資」関連の証券株に先取り可能性

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る