【株式市場特集】地政学リスクと金融市場の今後、安全資産への注目が高まる中で金関連株が市場をリード

■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる

 地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全資産へのヘッジとして金先物価格が史上最高値を更新している。産金株や非鉄金属株、貴金属関連株が注目され、投資家は状況を見守りつつ、緊急避難的な対応を求められている。

 原油価格の高騰とホルムズ海峡の封鎖の可能性が、鉱業株や石油株の人気を高める可能性がある。また、第5次中東戦争への紛争拡大が防衛関連株のリスク回避買いを促すかもしれない。

■金先物価格の最高値追いで産金株、リデュース株、リユース株が買われ好循環

 安全資産の金関連株では、産金株の菱刈鉱山の住友金属鉱山<5713>(東証プライム)が、足元で年初来高値追いとなっているだけにキーストックとなる。この動向次第で黒鉱のDOWAホールディングス<5714>(東証プライム)や非鉄株の三井金属<5706>(東証プライム)、東邦亜鉛<5707>(東証プライム)、三菱マテリアル<5711>(東証プライム)が買い進まれることになる。次いでリデュース株では、中外鉱業<1491>(東証スタンダード)、イボキン<5699>(東証スタンダード)、アサカ理研<5724>(東証スタンダード)、AREホールディングス<5857>(東証プライム)、松田産業<7456>(東証プライム)が要注目である。

 リユース株は、為替動向次第では国内金小売り価格がさらに上値追いなることも想定されハードオフコーポレーション<2674>(東証プライム)、ゲオホールディングス<2681>(東証プライム)、コメ兵ホールディングス<2780>(東証スタンダード)、トレジャリー・ファクトリー<3093>(東証プライム)、シュッピン<3179>(東証プライム)、買取王国<3181>(東証スタンダード)、テイツー<7610>(東証スタンダード)などが浮上する。

■原油価格・海運市況もショック高を享受し防衛関連3羽烏も出番

 原油価格の動向次第ではまず産油関連の鉱業株、ついで石油株となる。INPEX<1605>(東証プライム)、石油資源開発<1662>(東証プライム)、K&Oエナジーグループ<1663>(東証プライム)、富士石油<5017>(東証プライム)、出光興産<5019>(東証プライム)、ENEOSホールディングス<5020>(東証プライム)、コスモエネルギーホールディングス<5021>(東証プライム)などが続く。大手商社株も、三井物産<8031>(東証プライム)、三菱商事<8058>(東証プライム)などに資源関連株人気が高まろう。

 ホルムズ海峡封鎖は、航路が喜望峰回りとなり航海距離が伸びて船腹需給をひっ迫させるとして海運市況の上昇につながっており、下値もみ合いとなっている海運株の再人気化につながる可能性もある。日本郵船<9101>(東証プライム)、商船三井<9104>(東証プライム)、川崎汽船<9107>(東証プライム)のコンテナ船大手3社のほかバラ積み船のNSユナイテッド海運<9110>(東証プライム)、乾汽船<9308>(東証スタンダード)、タンカーやケミカル船の明海グループ<9115>(東証スタンダード)、飯野海運<9119>(東証プライム)、共栄タンカー<9130>(東証スタンダード)などが要注目だ。防衛関連株では照明弾の細谷火工<4274>(東証スタンダード>、火器の豊和工業<6203>(東証スタンダード)、機雷の石川製作所<6208>(東証スタンダード)の三羽烏のほか、ミサイル・航空機・へリコプターの三菱重工業<7011>(東証プライム)、川崎重工業<7012>(東証プライム)、IHI<7013>(東証プライム)の重工業株のほかSUBARU<7270>(東証プライム)などが要マークとなる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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