【注目銘柄】サイネックスは年初来高値を更新、ふるさと納税関連の出遅れ株買いが再燃

注目銘柄

サイネックス<2376>(東1)は、前日29日に91円高の935円と急反発して引け、東証第1部の値上がり率ランキングの第5位に躍り出るとともに、9月9日につけた年初来高値929円を更新した。10月1日に新規制基準によるふるさと納税制度が、2年目として1786自治体が参加してスタートすることから、同制度の情報提供サイト「わが町ふるさと納税」を展開する同社株に関連株買いが再燃した。同業のチェンジ<3962>(東1)が、28日のストップ安から前日に急反発し、同じくアイモバイル<6535>(東1)も続伸しており、両社株との比較感が働き、値ごろ的に低位にあるとして大きく出遅れが訂正されると期待されている。株価ヒストリカル的にも、同社株に2015年4月につけた上場来高値2619円の高値実績のあることが意識されている。

■今年9月に三鷹市から納税業務を一括受注しストップ高

 同社は、「地方創生プラットフォーム企業」を目指し幅広く事業展開しており、官民協働の行政情報誌『わが街事典』は、共同発行自治体が956、累計発行版数が1818に達している。また自治体向けのホームページ・アプリ開発も48自治体で実施し、住民の質問にAI(人工知能)により自動応答するAIチャットボットを提供するなど、菅新内閣の目玉政策の地方創生で恩恵を受ける事業形態となっている。

 「わが街ふるさと納税」では、寄付者からの申込代行の受付から決済システム提供、関係書類の作成・送付、特典商品の発送代行まで一括して受託しており、今年9月7日に三鷹市から同納税業務を一括受注しており、株価はストップ高した。

 一方、今2021年3月期業績は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して保守的にレンジで予想しており、売り上げ120億円~130億円(前期比13.5%減~6.5%減)、営業利益2億円~3億5000万円(同65.7%減~39.2%減)、経常利益2億2000万円~3億7000万円(同64.7%減~40.6%減)、純利益1億円~2億円(同72.8%減~45.7%減)と減収減益転換を見込み、配当も、年間10円~12.5円(前期実績12.5円)と減配含みとしている。今年8月7日に発表した今期第1四半期(2020年4月~6月期、1Q)業績も、減収減益で着地しており、今年11月上旬に発表予定の今期第2四半期(2020年4月~9月期、2Q)でどの程度リカバリーするか要注目となる。

■同業のチェンジ、アイモバイルに出遅れ最高値の高値実績も意識

 株価は、今期1Q減収益業績が響いて620円と下値を探ったがふるさと納税制度を創設した菅義偉官房長官の首相就任にサポートされて700円台を回復し、三鷹市からのふるさと納税業務受託でストップ高を交えて年初来高値929円へ急伸し、足元では800円台央での中段固めを続けてきた。同業のチェンジは、株式分割の権利落ち後も1万2000円台まで買われ実質の上場来高値水準、アイモバイルも1300円台にあり、値ごろ的に3ケタ台の同社株の出遅れが目立つ。また同社株自身も、2015年4月にふるさと納税制度のワンストップ特例制度が創設されたときに上場来高値2619円まで買い進まれた高値実績がある。年初来高値を奪回したここから2018年1月以来の1000円台に乗せ、2017年3月高値1298円を目指そう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る