インフォコムは21年3月期通期予想を2回目の上方修正、さらに3回目の上方修正の可能性

(決算速報)
 インフォコム<4348>(東1)は10月28日の取引時間中に21年3月期第2四半期累計の連結業績を発表した。電子コミック配信サービスが牽引して大幅増収増益となり、通期予想を上方修正(2回目)した。新型コロナウイルスに伴う新たな生活スタイルも追い風となり、通期予想は3回目の上方修正の可能性がありそうだ。株価は決算内容を好感する動きとなった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■21年3月期2Q累計大幅増収増益、通期は3回目の上方修正の可能性

 21年3月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比20.0%増の332億13百万円、営業利益が27.4%増の49億20百万円、経常利益が27.7%増の49億50百万円、純利益が31.1%増の33億77百万円だった。電子コミック配信サービスが牽引して大幅増収増益だった。

 ネットビジネスは38.6%増収で50.9%増益だった。電子コミック配信サービスが39.8%増と大幅伸長した。データ分析をベースとした各種施策が奏功し、外出自粛による需要増も追い風となって成長が加速した。ITサービスは5.6%減収で17.6%減益だった。前年の改元・消費税増税対応の病院向け特需の反動などで減収減益だったが、計画を上回った。

 通期の連結業績予想(7月31日に上方修正、10月28日に2回目の上方修正)は、売上高が20年3月期比20.8%増の705億円、営業利益が27.9%増の105億円、経常利益が27.0%増の105億円、純利益が20.9%増の67億円とした。配当は据え置いて20年3月期と同額の31円(第2四半期末10円、期末21円)としている。

 通期ベースでも、電子コミック配信サービスが各種施策の効果や新型コロナウイルスによる巣ごもり需要で大幅伸長し、ITサービスも計画を上回る見込みだ。セグメント別の売上計画は、ネットビジネスが39.5%増収(うち電子コミック配信サービスが40.0%増収)、ITサービスが3.5%減収(うちヘルスケアが6.3%減収)としている。

 新型コロナウイルスに伴う新たな生活スタイルも追い風となり、通期予想は3回目の上方修正の可能性がありそうだ。中期的にも収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は上場来高値圏から一旦反落していたが、決算内容を好感する動きとなった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月28日の終値は4020円、時価総額は約2316億円である。

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