神鋼商事は新型コロナ影響で21年3月期2Q累計大幅減収減益

(決算速報)
 神鋼商事<8075>(東1)は10月30日の取引時間中に21年3月期第2四半期累計の連結業績を発表した。新型コロナウイルスの影響で需要が減少して大幅減収減益だった。通期も大幅減収減益予想としている。欧米における新型コロナウイルス感染再拡大も懸念材料となるが、後半は需要が回復に向かうことを期待したい。株価の反応は限定的だった。業績悪化懸念は織り込み済みだろう。調整一巡して出直りを期待したい。

■21年3月期2Q累計大幅減収減益、通期も大幅減収減益予想

 21年3月期第2四半期累計の連結業績は、新型コロナウイルスの影響で売上高が前年同期比28.4%減の3470億70百万円、営業利益が61.5%減の13億80百万円、経常利益が52.2%減の16億18百万円、純利益が71.7%減の4億88百万円だった。特別損失には投資有価証券評価損を計上した。

 機械・情報が圧延設備や電池材料の増加で27.0%増益だったが、鉄鋼が海外子会社の自動車向け減少で73.4%減益、鉄鋼原料が市況低迷による海外子会社の収益悪化で80.8%減益、非鉄金属が空調向け銅管や自動車向けアルミ板・押出材の減少で25.9%減益、溶材が溶接材料や関連機器の減少で79.3%減益だった。

 通期の連結業績予想(期初時点で未定、9月18日公表)は据え置いて、売上高が20年3月期比19.9%減の7500億円、営業利益が44.1%減の27億円、経常利益が31.5%減の27億円、純利益が50.9%減の8億円としている。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で需要が減少する。また原油価格低迷に伴って米国エネルギー事業の環境が悪化しているため、北米子会社が保有する関連商品の在庫減損を見込み、一部の海外事業の不振に伴って投資有価証券の減損も見込んでいる。欧米における新型コロナウイルス感染再拡大も当面の懸念材料となるが、後半は需要が回復に向かうことを期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏だが徐々に下値を切り上げている。業績発表に対して反応は限定的だった。業績悪化懸念は織り込み済みだろう。調整一巡して出直りを期待したい。10月30日の終値は1775円、時価総額は約157億円である。

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