冨士ダイス、25年3月期3Q累計減益も織り込み済み、26年3月期回復に期待大

 冨士ダイス<6167>(東証プライム)は2月14日に25年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。売上高は横ばい、各利益は減益だった。前期好調だった海外向け溝付きロールが顧客における在庫調整の影響で大幅に減少したほか、人材投資なども影響した。そして通期減益予想を据え置いた。26年3月期の収益回復を期待したい。株価は小動きだが徐々に下値を切り上げている。25年3月期減益予想は織り込み済みと考えられ、高配当利回りや1倍割れの低PBRなども評価して戻りを試す展開を期待したい。

■25年3月期3Q累計減益、通期減益予想据え置き

 25年3月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比0.0%増の123億29百万円、営業利益が41.2%減の3億47百万円、経常利益が32.5%減の4億38百万円、親会社株主帰属四半期純利益が41.3%減の2億80百万円だった。売上高は横ばい、各利益は減益だった。前期好調だった海外向け溝付きロールが顧客における在庫調整の影響で大幅に減少したほか、IT投資や人財投資による販管費増加なども影響した。

 製品別売上高は超硬製工具類が13.1%減の30億48百万円、超硬製金型類が8.8%増の31億36百万円、その他超硬製品が7.1%増の32億02百万円、超硬以外の製品が0.0%増の29億41百万円だった。

 超硬製工具類は、前期好調だった海外向け溝付きロールが顧客における在庫調整の影響で大幅に減少した。超硬製金型類は、製缶金型や車載用電池向け金型が好調だった。その他超硬製品は、半導体製造装置向けや超硬素材が好調だった。超硬以外の製品は、混練工具の販売が低調だったが、一部の鋼製自動車部品用工具・金型が堅調だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が39億90百万円で営業利益が48百万円、第2四半期は売上高が42億87百万円で営業利益が2億43百万円、第3四半期は売上高が40億52百万円で営業利益が56百万円だった。

 通期連結業績予想(24年11月14日付で下方修正)は据え置いて売上高が24年3月期比1.9%増の170億円、営業利益が16.0%減の6億80百万円、経常利益が3.6%減の8億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が16.8%減の5億90百万円としている。配当予想も据え置いて24年3月期比8円増配の40円(期末一括)としている。24年3月期の32円には記念配当10円が含まれているため、普通配当ベースでは18円増配の形となる。予想配当性向は134.8%となる。

 25年3月期は下期も需要回復が緩やかな見込みとしている。26年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は小動きだが徐々に下値を切り上げている。25年3月期減益予想は織り込み済みと考えられ、高配当利回りや1倍割れの低PBRなども評価して戻りを試す展開を期待したい。2月14日の終値は812円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS29円68銭で算出)は約27倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約4.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1039円32銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約162億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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