JTOWERは上値試す、21年3月期大幅増収増益予想で再上振れ余地

株式市場 銘柄

 JTOWER<4485>(東マ)は通信インフラシェアリング事業を主力としている。21年3月期は国内の導入物件数が順調に増加して大幅増収増益予想である。さらに再上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は上場来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■通信インフラシェアリング事業が主力

 携帯キャリア各社の携帯基地局関連インフラ(装置、アンテナ、工事、構築物、電源、ファイバーなど)設備投資を一本化して、各社へシェアリングする通信インフラシェアリング事業(IBS事業)を主力としている。

 21年3月期第2四半期末の国内IBS事業累計導入物件数は294件(累計導入済み物件数195件、新規導入予定物件数99件)となった。5G対応共用装置については21年度から導入を本格拡大予定としている。

 周辺事業として海外IBS事業、ソリューション事業、新規事業として屋外の鉄塔などの携帯インフラのシェアリングを行うタワー事業も展開している。

 20年7月には三菱UFJリースと資本業務提携した。20年11月には、ベトナムでIBS事業を展開する子会社SPNが、同事業を展開するTHIEN VIET COMPANY LMITEDが保有するIBS資産買取契約を締結した。成長が見込まれるベトナムのIBS対策需要を取り込む。

■21年3月期大幅増収増益予想、さらに再上振れ余地

 21年3月期連結業績予想(11月10日に上方修正)は、売上高が20年3月期比33.8%増の34億24百万円、EBITDAが72.5%増の12億72百万円、営業利益が4.3倍の3億円、経常利益が2億58百万円(20年3月期は5百万円)、純利益が3億円(同13百万円の赤字)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比57.7%増の17億28百万円、EBITDAが2.0倍の6億30百万円、営業利益が1億87百万円(前年同期は10百万円)だった。国内IBS事業が想定超となり、全体を牽引した。

 通期は新型コロナウイルスの影響が全体として想定を下回り、国内IBS事業の導入物件数が増加する見込みだ。先行投資を継続するが、リモートワークで経費が減少することも寄与して大幅増収増益予想である。なおナビックを連結除外して持分法適用会社とする。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が50.5%、EBITDAが49.5%、営業利益が62.3%と順調であり、通期予想に再上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は上場来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。12月25日の終値は9920円、時価総額は約2043億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る