三洋貿易は21年9月期1Q増収増益、通期上振れの可能性

(決算速報)
 三洋貿易<3176>(東1)は2月5日の取引時間終了後に21年9月期第1四半期連結業績を発表した。中国を中心とする自動車関連の需要回復が牽引して増収増益だった。事業環境の不透明感を考慮して通期増収減益予想を据え置いたが、第1四半期の進捗率が高水準であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。株価は小幅レンジでモミ合う形だが、第1四半期の高進捗率を好感する動きとなりそうだ。モミ合いから上放れて戻りを試す展開を期待したい。

■21年9月期1Q増収増益、通期増収減益予想だが上振れの可能性

 21年9月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比2.0%増の216億09百万円で、営業利益が9.3%増の17億21百万円、経常利益が3.1%増の18億36百万円、四半期純利益が10.1%増の12億26百万円だった。

 化成品は8.1%減収で12.5%営業増益だった。ゴム関連商品の需要回復が鈍いが、主力の塗料・インキ関連が好調だった。機械資材は1.0%増収で8.7%増益だった。産業資材関連商品が日系自動車メーカーの製造挽回で堅調だった。海外現地法人は20.8%増収で35.8%増益だった。中国(上海)の自動車部品が自動車市場の急回復で大幅伸長した。なお非連結だったインドネシアの子会社を新規連結した。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が20年9月期比7.8%増の820億円、営業利益が16.5%減の40億円、経常利益が20.3%減の42億円、当期純利益が10.4%減の27億円としている。

 機械・環境関連での大型案件や米国での吸水性樹脂の拡販などで増収だが、自動車関連の国内外での原価低減圧力など事業環境の不透明感を考慮して減益予想としている。

 ただし第1四半期の進捗率は売上高が26.4%、営業利益が43.0%、経常利益が43.7%、当期純利益が45.4%と高水準だった。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。

■株価は戻り試す

 株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だが、第1四半期の高進捗率を好感する動きが優勢となりそうだ。モミ合いから上放れて戻りを試す展開を期待したい。2月5日の終値は1055円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS94円27銭で算出)は約11倍、時価総額は約306億円である。

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