インフォマートは21年12月期減益・減配予想

(決算速報)
 インフォマート<2492>(東1)は2月15日の取引時間終了後に20年12月期連結業績を発表した。新型コロナウイルスや先行投資の影響で減益だったが、計画超で着地した。21年12月期は先行投資でデータセンター費や人件費が増加するため減益・減配予想とした。ただし売上が回復基調であり、上振れを期待したい。株価は戻り高値圏だけに、目先的には21年12月期減益・減配予想を嫌気する動きが優勢になりそうだが、売り一巡後のリバウンドを期待したい。

■20年12月期減益だが計画超で着地、21年12月期減益・減配予想

 20年12月期の連結業績(1月21日に上方修正)は、売上高が19年12月期比2.8%増の87億77百万円、営業利益が40.4%減の14億71百万円、経常利益が40.7%減の14億57百万円、純利益が40.2%減の10億14百万円だった。

 BtoB-PF ES事業(22.0増収)は請求書の有料契約企業数が増加して大幅伸長したが、BtoB-PF FOOD事業(2.0%減収)は新型コロナウイルス影響で食材流通金額が減少し、売り手企業の受発注システム使用料が減少した。全体として増収だったが、サーバー体制増強によるデータセンター費の増加、営業および営業サポート人員の増強による人件費の増加など、先行投資負担で減益だった。

 なお計画に対しては、売上面では4月を底にして回復基調となり、想定を上回る水準で推移した。コスト面では、保守的に計画していたデータセンター費およびソフトウェア償却費が未発生となり、国内出張自粛による旅費交通費の減少も寄与して、各利益が計画を上回った。

 21年12月期の連結業績予想は、売上高が20年12月期比8.7%増の95億40百万円、営業利益が52.4%減の7億円、経常利益が57.1%減の6億25百万円、当期純利益が58.1%減の4億25百万円、配当が2円77銭減配の94銭としている。

 売上面では、BtoB-PF ES事業(計画28.8%増収)がDXの流れも背景として大幅伸長見込みだが、BtoB-PF FOOD事業(計画1.4%増収)は新型コロナウイルスによるマイナス影響が当面続く想定とした。コスト面では先行投資でデータセンター費や人件費が増加するため、各利益とも減益見込みとした。ただし売上が回復基調であり、上振れを期待したい。

■株価は戻り高値圏

 株価は戻り高値圏だけに、目先的には21年12月期減益・減配予想を嫌気する動きが優勢になりそうだが、売り一巡後のリバウンドを期待したい。2月15日の終値は1011円、時価総額は約2623億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る