【編集長の視点】横河ブリッジは続落も業績再上方修正と再増配は突っ込み買い好機示唆

 横河ブリッジホールディングス<5911>(東1)は、前日18日に47円安の1923円と3営業日続落して引け、昨年11月26日以来の安値となった。日経平均株価が、56円安と続落し逆行高している銘柄が主力値がさ株となっているなか、乗り換えの売り物が増勢となった。ただ同社は、今年1月27日に今2021年3月期通期予想業績の2回目の上方修正でと2回目の増配を発表しており、純利益は、3期ぶりに過去最高を更新する見込みだけにバリュー的売られ過ぎを示唆している。昨年1月に前期業績の上方修正と増配を発表し、株価が昨年来高値2309円まで約400円高しており、この急伸相場の再現期待も支えに突っ込み買いも一考余地がありそうだ。

■橋梁事業の受注高が過去最高ペースで推移し大型案件工事も寄与

 同社の今3月期業績は、昨年10月22日の今期第2四半期(2020年4月~9月期、2Q)累計業績の上方修正に続き、10月28日、今年1月27日に今期通期予想業績をそれぞれ上方修正した。今年1月の今期第3四半期(2020年4月~12月期、3Q)決算の開示とともに発表した再上方修正では、売り上げを昨年10月の下方修正値より40億円引き下げたが、逆に営業利益、経常利益は同上方修正値より20億円、純利益は13億円アップさせ、売り上げ1400億円(前期比1.3%増)、営業利益160億円(同24.2%増)、経常利益160億円(同23.4%増)、純利益110億円(同22.2%増)と連続増益率を伸ばし、純利益は、2018年3月期の過去最高(93億8200万円)を大幅更新する。

 システム建築事業が、一部案件の先送りや見直しで伸び悩むが、橋梁事業の受注高が、3Qに638億2000万円(前年同期比18.8%増)と過去最高ペースで推移し、大型案件工事が順調に進捗していることなどが寄与する。今期配当も、昨年10月の上方修正値に期初予想の年間40円から47円に増配し、今年1月の再上方修正時にはさらに年間52円(前期実績37円)に引き上げ、連続増配幅を拡大させる。

■PER7倍台、PBR0.8倍と売られ過ぎを示唆し昨年来高値目指す

 株価は、前期業績の上方修正・増配でつけた昨年来高値2309円から世界同時株安のなか同安値1539円へ突っ込んだ。同安値からは、期末の配当権利取りや今期業績の続伸予想で2273円まで大きく戻し、今期第1四半期の伸び悩み業績で1873円まで再調整したが、2Q累計業績、3月期通期業績の上方修正と続いて2200円まで上昇した。今年1月の再上方修正では材料出尽くしとして1922円まで売られているが、PERは7倍台、PBRは0.80倍、配当利回りは2.70%と売られ過ぎを示唆している。今年1月の2200円高値抜けで弾みをつけ昨年来高値2309円奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る