【編集長の視点】クレスコは小反落も連続増配幅の拡大と3Qの高経常利益進捗率業績が相乗して押し目買いチャンス

 クレスコ<4674>(東1)は、前週末16日に30円安の3523円と4日ぶりに小反落して引けた。同社株は、証券会社の投資判断と目標株価の引き下げの影響を受けて3月8日に3145円安値まで急落し、売られ過ぎとして約500円幅のリバウンドをしており、週末を控え目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下値では、その後3月15日に発表した今2018年3月期の連続増配の拡大と、今年2月5日に開示した今期第3四半期(2017年4月~12月期、3Q)業績の高利益進捗率や3月通期予想業績の連続過去最高更新などを手掛かりにバリュー株買いが続いた。昨年11月の今期第2四半期(2017年4月~9月期、2Q)決算発表時には、2Q業績が期初予想を上ぶれ着地したことを手掛かりにストップ高したことが繰り返されるとの再現期待も強めている。

■公共・サービス分野向けが堅調に推移しデジタル情報家電向けが続伸

 同社の今期配当は、純利益の40%相当をメドとする配当方針に基づき、期末の普通配当を期初予想の29円から33円に引き上げるとともに、創立30周年の記念配当を10円を上乗せして43円(前期期末配当29円)と大幅に増配、年間配当は、72円(前期実績55円)と連続増配幅を拡大させる。

 一方、今期3Q業績は、前年同期比8.8%増収、19.7%営業増益、22.5%経常増益、15.7%純益増益で着地し、売り上げは連続増収、利益は増益転換し、経常利益は、今3月期通期予想業績に対して83%の利益進捗率を示し目安の75%を上回った。企業が競争力と成長力を強化するため「第4次産業革命」、「働き方改革」、「人手不足」に取り組み、ソフトウェア開発、システム開発などのIT投資を積極化する事業環境下、アプリケーション開発、組込み技術などのコア技術に加え、AI(人工知能)、ロボティクス、IoT(モノのインターネット化)の先端技術にも的確・スピーディーに展開して事業領域を拡大、受注量の維持・拡大、新サービスの開発を進めたことなどが要因となった。具体的には、ソフトウェア開発事業では、公共・サービス分野では人材、旅行、物流関連が堅調に推移し、組込み型ソフトウェア開発事業では、テレビ、カメラなどのデジタル情報家電向けが続伸した。

 今3月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ332億円(前期比7.5%増)、営業利益30億円(同10.8%増)、経常利益32億8000万円(同6.6%増)、純利益22億3000万円(同9.2%増)と見込み、前期の過去最高利益を連続更新する。

■PER16倍、配当利回り2%と割安でまず昨年来高値からの調整幅の3分の1戻しにトライ

 株価は、昨年11月に発表した今期2Q累計業績の上ぶれ着地し反応してストップ高を交えて昨年来高値5500円まで1000円高し、その後はストップ高で開けた窓を埋める4400円台を下値とする500円幅のボックス相場を続けてきたが、世界同時株安の直撃で3505円安値をつけ、いったん3925円までリバウンドしたが、国内証券会社の投資判断・目標株価引き下げが響いて3145円へ突っ込んだ。同安値からは500円幅の底上げに転じ、マイナスかい離していた25日移動平均線にタッチしもみ合いとなった。PERは16倍台とIT関連株として相対的に割安で、連続増配幅の拡大で配当利回りが2%台に乗せた期末に向けた配当権利取りもオンして今期2Q累計決算発表時の株価急騰への連想を強め、一段の底上げにトライ、まず昨年来高値からの調整幅の3分の1戻し水準の3900円へキャッチアップしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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