【どう見るこの相場】まさか「長期金利の天井」?!専門商社株に周回遅れ挽回の景気敏感株人気

どう見るこの相場

 「肉は腐る前が一番うまい」とベテラン証券マンが言い交わし頷き合ったものだ。昔も昔、日本が債権大国の大金持ちになる以前の話である。当時の日本では、好景気が続いて原材料輸入が急増し貿易収支が赤字となって外貨準備高が底をつくと、日銀が、景気過熱として公定歩合を引き上げ金融引き締めに転じた。「国際収支の天井」である。途端に景気は失速して下降を始めて後退局面となり、相場も調整を余儀なくされた。ただそれでも「公定歩合引き上げは2回目までは大丈夫、株高」と件のベテラン証券マンたちは強気を押し通し「肉は腐る前が一番うまい」とばかり果敢にチャレンジして、目論見通りグルメ三昧となるか毒肉を食べて食当たりするかなどさまざまであった。

 昔、昔の話だが、何だか現在の相場にダブってくる。インフレ懸念を先取りして米国の10年前国債利回りを中心に長期金利が上昇しているからだ。この長期金利上昇は、さしもの相場上昇を支えたゼロ金利・潤沢な資金供給・大規模な資産購入を進めている金融緩和策を中央銀行が見直し、政策スタンスを変更するのではないかと疑心暗鬼を呼び、割高なハイテク株などが調整色を強めているのである。

それでなくても米国株の最高値更新や日経平均株価の30年半ぶりの3万円大々台回復は、ゴールなのかまだ一通過点なのか、バブルかバブルでないか見方が拮抗していた。仮に中央銀行が、長期金利の上昇を容認するとして「長期金利の天井」がどこになるのか、あるいは金融緩和策の変更があるとして、かつてのベテラン証券マンのように「肉は腐る前が一番うまい」と嘯いてチャレンジするのが正解かどうか何とも悩ましい。現に前週末5日の米国市場では、ダウ工業株30種平均(NYダウ)は、572ドル高と4日ぶりに反発したが、午前中に10年物国債利回りが一時、1.62%と昨年2月以来の高水準となったことで150ドル余り下げる場面もあり、ボラティリティの荒い展開となった。

 チャレンジするとすれば、ハイテク株より景気敏感株、バリュー株だろう。米国では、バイデン政権による1.9兆ドルの追加経済対策が上院で可決され、日本でも過去最大規模の106兆円の来年度予算案が衆議院を通過し、さらにワクチン接種による新型コロナウイルス感染症の終息、経済活動の正常化とともに、消費を手控えて貯蓄率が異様に高まった日米の家計から潤沢な資金が消費マーケットに流入し、インフレが懸念されるほどの景気回復が期待されるからだ。

 そこで今週の当特集では、景気敏感株、バリュー株の最後発・最出遅れセクターとして専門商社株に注目することとした。専門商社株は、素材関連、ハイテク関連を問わず値ごろ妙味があり、PER・PBR評価も割安であり、なかでも今2021年3月期業績を上方修正した銘柄が数多い。

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【特集】景気敏感株、バリュー株の最後発・最出遅れセクターとして専門商社株に注目

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