インフォコムが「薬剤情報システム」でも東南アジア市場に参入、最初はフィリピンで事業展開

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■インドネシアで開始した医用画像管理システムと共に拡大

インフォコム<4348>(東1)は3月15日午前、国内向けに提供する薬剤情報システムを東南アジア新興国の医療機関向けに提供開始すると発表し、第一弾として、フィリピンで同システムの事業展開を行うとした。

 医用画像システムの分野では、すでに2020年8月、インドネシアで現地企業と販売代理店契約を結んで販売開始している。

■経済成長とともに病院のIT化が進み、薬剤情報でも需要高まる

<背景>
 同社は、医療の質の向上と業務の効率化を支援するITサービスを国内医療機関向けに販売している。薬剤情報システム分野では、電子カルテと連携し、医師や薬剤師が薬の情報を参照したり、飲み合わせを確認したりする際に利用する医薬品情報検索システム「DICS(ディックス)」、処方チェックシステム「DICS-PS(ディックスピーエス)」などを提供している。

 フィリピンなどの東南アジア新興国では今後、経済成長とともに電子カルテをはじめとした病院情報のIT化が進むとみられ、日本の医療機関では電子カルテとの連携が不可欠となっている薬剤情報システムについても需要が高まるとみられている。

 同社は、2020年度から3カ年の中期経営計画において、薬剤情報管理を含むヘルスケアIT領域の事業拡大に向け、東南アジアの有望なスタートアップへの投資や同地域での当社ITサービスの展開を進めている。

<概要・今後の展開>
 同社が日本向けに展開する薬剤情報システムについて、国内でのノウハウや知見を活かして海外向けに新たに開発した製品を、現地の販売代理店などを通じてフィリピンをはじめとした東南アジアの医療機関へ提供する。

 その第1弾としてフィリピンで複数のパートナー企業と提携し、2021年4月より現地の医療機関へ提供開始することを予定している。また、今後東南アジアの他国でも同サービスを展開する。

 2020年8月にインドネシアで提供を開始した医用画像管理システム(PACS)(※)と、今回の医薬品情報システムを中心に、東南アジアのヘルスケアIT市場で自社サービスを展開していく。(HC)

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