HENNGEは反発の動き、21年9月期は上振れの可能性

株式市場 銘柄

 HENNGE<4475>(東マ)は、横断的にセキュアなアクセスとシングルサインオンを実現するHENNGE One事業を主力としている。21年9月期は先行投資で大幅減益予想だが、第1四半期の利益進捗率が高水準であり、通期予想は上振れの可能性がありそうだ。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。1月の上場来高値を目指す展開を期待したい。

■HENNGE One事業が主力

 SaaS認証基盤(IDaaS)のHENNGE One事業を主力として、メール配信パッケージソフトウェアなどのプロフェッショナルサービス・その他事業も展開している。

 HENNGE Oneは、企業が利用するさまざまなクラウドサービスに対して、横断的にセキュアなアクセスとシングルサインオンを実現するIDaaSである。ID統合機能、アクセス制限機能、メール情報漏洩対策機能などを一元的にクラウドサービスで提供している。20年12月末時点の契約社数は1752社、契約ユーザ数は193.9万人となった。

 成長戦略として、21年9月期はARR(年間経常収益=契約社数×契約企業当たり平均契約ユーザ数×ARPU)成長速度の変曲点を作り出し、22年9月期以降のARR年間20%以上の持続的成長を目指すとしている。

 20年8月には全国の自治体向けの新サービスとして、地域住民とのスムーズな双方向コミュニケーションを実現する「CHROMO(クロモ)」を開始した。4月7日には「CHROMO」の新機能として相談サービス(相談機能)を発表した。

■21年9月期は上振れの可能性

 21年9月期連結業績予想は、売上高が20年9月期比16.6%増の48億41百万円、営業利益が42.4%減の3億10百万円、経常利益が42.1%減の3億10百万円、純利益が45.6%減の1億93百万円としている。

 HENNGE One事業が牽引して2桁増収だが、積極的なマーケティング投資(上期の大規模デジタルイベント開催に伴う広告宣伝費の増加、営業強化に向けた人員採用による人件費の増加)など、先行投資の影響で営業費用が増加するため大幅減益予想としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比20.7%増の11億34百万円、営業利益が2億01百万円の黒字(前年同期は3百万円の赤字)だった。

 HENNGE One事業が、契約企業数の増加やARPU(契約ユーザ当たり年額単価)の上昇で20.6%増収と伸長した。プロフェッショナルサービス・その他事業も20.9%増収と伸長した。コスト面では人件費が増加したが、新型コロナウイルスの影響による旅費交通費の減少、前期開催した大型イベントの反動による広告宣伝費の減少なども寄与して営業黒字化した。

 第1四半期の進捗率は売上高23.4%、営業利益64.8%だった。利益進捗率が高水準であり、通期予想は上振れの可能性がありそうだ。

■株価は上値試す

 株価は調整一巡して反発の動きを強めている。1月の上場来高値を目指す展開を期待したい。4月8日の終値は8590円、時価総額は約1390億円である。

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