【関連銘柄特集】緊急事態宣言解除先取りの投資スタンスとは?

東京証券取引所

■バイク株、ゴルフ株には上方修正が相次ぎPER評価も「安」

 今週の当特集では、連休中(ウイズGW)も連休明け後(アフターGW)も、緊急事態宣言解除先取りの投資スタンスとしてやはり「安・近・単」で風待ちすることを提案することとした。外部材料に影響を受け難い身近なディフェンシブ系のアウトドア関連株、ロード関連株へのアプローチで、連休明けには関連需要の動向も伝えられ、話題性も高まる展開も想定されるためだ。ソーシャル・ディスタンス関連のオートバイ株やゴルフ株、「ソロ・キャンプ」関連のレジャー株、「ロードサイド」関連の小売り株・外食株など、業績の上方修正株や割安株の「安」も多いだけに幅広く網を張りたい。

 バイク関連株の業績上方修正の代表株といえば、バイク王&カンパニー<3377>(東2)だろう。今年3月30日に今11月期業績を上方修正し、米国の二輪車メーカー、ハーレー・ダビッドソンの好決算、株高も追い風になって年初来高値追いとなり51%高となったためだ。このほか業績を上方修正した関連株は、二輪車チェーンの大同工業<6373>(東1)、二輪車用品のデイトナ<7228>(JQS)、二輪車用ヘルメットのSHOEI<7839>(東1)と続き、二輪車電装品の新電元工業<6844>(東1)は、希望退職者募集で赤字業績となるが、この赤字幅が縮小する業績の上方修正済みである。このうちデイトナがPER7倍台、大同工が11倍台、バイク王が14倍台と「安」となる。

 業績上方修正では、ゴルフ株も敗けてはいない。ミズノ<8022>(東1)は、ゴルフクラブが好調として4月22日に2021年3月期業績を上方修正し、前週末23日に大幅続伸して東証第1部の値上がり率の第8位と人気化したが、このほかゴルフ・ドゥ<3032>(名セ)、ゴルフダイジェスト・オンライン<3319>(東1)、グラファイトデザイン<7847>(JQS)が業績を上方修正し、前取締役会長が不祥事で逮捕されたアルペン<3028>(東1)も、その一角に名を連ねる。松山英樹選手が、日本人として初めて米国のマスターズでメジャー制覇したことも人気拡大をフォローしている。PER評価は、ゴルフ・ドゥが7倍台、アルペンが11倍台、ミズノが14倍台で「安」になる。

■「ソロ・キャンプ」にも業績好調組、ロードサイド株には3指標株

 「安・近・単」の「単」では、ソーシャルディスタンス人気内包でブームの「ソロ・キャンプ」関連株が浮上する。スノーピーク<7816>(東1)は、前2020年12月期業績を上方修正し、今2021年12月期業績の続伸を予想している。またヒマラヤ<7514>(東1)は、今8月期業績を上方修正、大幅黒字転換とV字回復を見込んでいる。ヒマラヤのPER評価は11倍台にとどまる。

 「三密」回避で感染リスクが低減されるロードサイド店舗へのアプローチは、再々発出された緊急事態宣言でどのような休業・営業時間短縮の制限を受けるか見極める必要がある。この先行きの動向を占うカギとなる銘柄が浮上するはずで、前2回の緊急事態宣言発出下で業績を伸ばしてきた銘柄となる。前2021年2月期業績を郊外店舗への来客数の増加で4回も上方修正し、今2月期純利益も連続過去最高更新と見込んでいる西松屋チェーン<7545>(東1)、前2021年8月期業績をテレワーク関連商品などの寄与で上方修正し、今8月期業績も上方修正したコジマ<7513>(東1)、郊外店でのテイクアウト商品展開で月次売り上げが2ケタ増と外食産業の勝ち組となった日本マクドナルドホールディングス<2702>(JQS)などが有力な指標株として注目されそうだ。西松屋のPERは11倍台、コジマは10倍台の評価でしか過ぎない。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価  東京大学は11月1日、日本周辺…
  2. ■ドジャース、球団史上初の2年連続制覇  ロサンゼルス・ドジャースは、2025年MLBワールドシリ…
  3. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  2. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  3. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  4. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  5. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  6. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る