【話題株】MERS関連株の物色人気厚みを増す、アンジェスMGはエボラ熱対策薬を発表

16日朝の株式市場では、韓国のMERS(中東呼吸器症候群)を材料視した銘柄の売買が引き続き活発になり、バイオハザード対策設備などの日本エアーテック<6291>(東1)、防護服のアゼアス<3161>(東2)などが昨日までの急伸に続き売買交錯となっている。値動きは騰勢一服だが、感染拡大となれば再び注目を集める可能性が強い。今朝はアンジェス MG<4563>(東マ)が「エボラ出血熱」対策薬を発表して急伸しており、「物色材料が厚みを増す」(投資顧問筋)といった期待も出ている。

これらの銘柄は、2014年9月から10月にかけて「エボラ出血熱」の流行が伝えられたときに急騰相場を演じており、このときは日本エアーテックが500円台前半から1500円台まで3倍高となり、アゼアスは400円前後から1900円近くまで5倍近く急騰。また、ダルトン<7432>(JQS)やマスクの興研<7963>(JQS)なども急伸し、特効薬の可能性を持つとして富士フイルムホールディングス<4901>(東1)も上げピッチを強める場面があった。

こうした中で、15日の午後はアンジェス MGが「エボラ出血熱」対策薬として開発を進める抗血清製剤の試験で良好な結果が得られたと発表した。エボラ出血熱については、6月13日から14日にかけて、西アフリカのギニアとシエラレオネで感染者が再び増加の兆しと通信社の報道などが伝えたばかり。決して好ましい話ではないが、株価材料としては絶妙なタイミングになり、市場関係者の中には、関連株物色の裾野が広がる可能性が出てきたと注目する様子がある。

アンジェス MGの今回の発表はMARS(中東呼吸器症候群)対策薬ではないが、株式市場の物色テーマとして「感染症対策」の重要さを改めて示唆した形になった。ゴム手袋のオカモト<5122>(東1)などはまだ動きを見せていないが、日本アビオニクス<6946>(東2)は空港などで高熱を発する入国者をチェックする赤外線サーモグラフィカメラの最大手として今回も急動意となっている。株価材料としては多聞に思惑的な材料だが、院内感染管理製品で知られる大幸薬品<4574>(東1)、ゴム手袋のオカモト<5122>(東2)なども含めて突然急動意となる面白さがあることは確かだ。

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