三菱地所、空飛ぶクルマの実証プロジェクト採択、都内での実用化へ前進

■兼松、SkyDriveと連携し、ポート一体型運航を検証

 三菱地所<8802>(東証プライム)は6月4日、兼松<8020>(東証プライム)およびSkyDriveとの連携により、東京都の「空飛ぶクルマを活用したサービスのビジネスモデル構築に関するプロジェクト」に採択されたと発表。2025年度下期には都内において、空飛ぶクルマの実機と、Vertiport Automation System(VAS)を備えたターミナル一体型ポートを活用した運用実証を実施する。同実証では、離着陸場オペレーションの検証を通じ、運用上の課題洗い出しと技術的な検証を進める。試験飛行には、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で飛行が予定される株式会社SkyDriveのSD-05型機が使用される。

 空飛ぶクルマは、都市部の渋滞解消や交通空白地域への移動手段提供、災害時の活用など、多岐にわたる社会課題の解決に貢献するだけでなく、移動時間の短縮や新たな体験提供といった価値創造も期待されている。三菱地所は、2022年度に採択された「都内における空飛ぶクルマを活用したサービスの社会実装を目指すプロジェクト」以降、都内での早期事業化を見据え、様々なビジネスモデルを検討してきた。2023年度にはヘリコプターを用いた運航実証を行い、顧客体験や事業性の検証、都心部での運航オペレーションや周辺環境への影響に関する技術的検証を実施済である。

 今回採択されたプロジェクトでは、空飛ぶクルマの実機とターミナルを備えたポートを一体的に運用し、「飛行前の準備」から「出発」「巡航」「着陸」「運航終了」までの一連の流れを実際に検証することで、運用上の課題を具体的に把握することを目指す。三菱地所は今後も、東京都における空飛ぶクルマの実装に向け、同社が保有するアセットの将来的な活用も視野に入れ、東京都および日本の社会課題解決と新たな価値創造に貢献していく方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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