【特集】「GARP」関連株:東証第2部の時価総額上位銘柄からスクリーニング

 速成版「GARP」関連株として、東証2部市場の時価総額ランキング上位銘柄のうち割り負け銘柄をスクリーンングし、同様にJQ市場の時価総額上位の割り負け銘柄とともに注目した。

 「GARP(Growth at reasonable price)」とは、米国市場ではグロース投資とバリュー投資の両方を取り入れ、各銘柄の業績成長を加味しつつ、なおかつ株価的な割安な銘柄を発掘する投資手法として知られている。このGARPの関連株は、本来「PEGレシオ」などのややこしい算出基準があるが、今週の当特集では、手っ取り早く東証第2部の時価総額上位銘柄からスクリーニングしてみた。

■好業績・低PERはもちろん多くが連続増配を予想し分割権利付き銘柄も

 東証2部時価総額ランキングの上位銘柄から割り負け株をスクリーニングし、時価総額の大きい順に列挙するとMCJ<6670>(東2)、上村工業<4966>(東2)、中央自動車工業<8117>(東2)、ハイレックスコーポレーション<7279>(東2)、エスビー食品<2805>(東2)、日本ハウズイング<4781>(東2)、神鋼環境ソリューション<6299>(東2)が、ベスト・セブンとなる。このうちPERは、ハイレックスが9.5倍で最割安で、7位の日本ハウジングでも14倍台にしか過ぎない。PBRも、MCJの2倍のほかは1倍台となりハイレックスは0.4倍である。

 このうちMCJの今3月期業績は、会計基準の変更を考慮すれば6期連続の過去最高更新となり、プレミアム市場への上場資格を充足していると観測されている。また多くが連続増配を予想し、上村工業は、今年6月30日を基準日に1株を2株に分割する株式分割の権利付きとなっている。

■一時年初来高値更新のJQ市場からも時価総額上位株から有資格株

 JQ市場の時価総額上位銘柄で投資採算的に割安な銘柄は、やはり「GARP」条件を充足する。具体的に時価総額順にベスト7を上げると、フクダ電子<6960>(JQS)、沖縄セルラー電話<9436>(JQS)、エスケー化研<4628>(JQS)、フェローテックホールディングス<6890>(JQS)、GMOフィナンシャルホールディングス<7177>(JQS)、ナフコ<2790>(JQS)、フルヤ金属<7826>(JQS)が浮上する。PERはナフコが4倍台でもっとも割安で、第7位のエスケー化研でも15倍台とJQ全銘柄平均の22倍を大きく下回る。

 このうちフェローテックは、東洋合成工業<4970>(JQS)などとともにプレミアム市場上場基準充足銘柄の一つに観測されており、また前週末18日にJQ市場から東証第1部に昇格して年初来高値を更新したメイコー<6787>(東1)の先行例もある。フクダ電子、エスケー化研、ナフコはそれぞれPBR1倍を割り、ナフコの配当利回りは2.81%に達する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■金融・医療・公共分野に特化した高精度処理、低コストで安全運用可能  NTT<9432>(東証プラ…
  2. ■ジャイアンツ球場隣接の221邸、シニアの健康・交流を支える新拠点に  フージャースホールディング…
  3. ■IT・スタートアップ中心に若手CEO台頭、経営のスピード化が進展  帝国データバンクは10月14…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  2. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…
  3. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  4. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  5. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  6. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る