日本エム・ディ・エムは22年3月期2Q累計大幅増収増益、通期上振れの可能性

(決算速報)
 日本エム・ディ・エム<7600>(東1)は、10月29日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。新型コロナ影響が和らいで症例数が徐々に回復基調となり大幅増収増益だった。各利益は従来予想を上回った。通期予想を据え置いたが上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は上値を切り下げたが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■22年3月期2Q累計大幅増収増益、通期上振れの可能性

 22年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高(収益認識に関する企業会計基準第29号適用後)が前年同期比14.3%増の88億58百万円となり、営業利益が28.4%増の10億58百万円、経常利益が29.4%増の10億42百万円、親会社株主帰属四半期純利益が90.6%増の10億03百万円だった。なお特別利益に米国で発生した債務免除益3億03百万円を計上し、税金費用が想定よりも減少した。

 大幅増収増益だった。第2四半期に米国における新型コロナウイルス感染症再拡大の影響を受けたため売上高は従来予想(7月30日に上方修正)を1億41百万円下回ったが、全体として新型コロナ影響が和らいで日本、米国とも症例数が徐々に回復基調となった。利益面では第2四半期に想定していた営業経費の一部が想定を下回ったことも寄与して、従来予想(同)に対して営業利益は1億08百万円、営業利益は1億22百万円、親会社株主帰属四半期純利益は1億83百万円、それぞれ上回って着地した。

 セグメント別に見ると、日本国内は売上高が7.9%増の54億66百万円で営業利益が46.1%増の6億67百万円、米国は売上高が14.2%増の52億31百万円で営業利益が4.4%減の4億25百万円だった。なお米国の外部顧客向け売上高は米ドルベースで22.3%増収となり、円換算後では26.3%増の33億92百万円となった。

 分野別の売上高(収益認識基準適用前数値)は、人工関節分野が米国の回復で合計16.8%増(日本が4.6%増、米国が26.1%増)の55億25百万円、骨接合材料分野が日本国内の順調推移で9.5%増の17億72百万円、脊椎固定器具分野が日本国内の順調推移で合計19.9%増の14億71百万円だった。自社製品比率は79.6%だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が45億37百万円で営業利益が5億54百万円、第2四半期は売上高が43億21百万円で営業利益が5億04百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が21年3月期比11.7%増の187億円、営業利益が24.5%増の27億円、経常利益が24.7%増の26億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が8.1%増の18億円としている。配当予想は1円増配の12円(期末一括)としている。

 新型コロナウイルスや日本の診療報酬改定などのマイナス影響を想定するが、前期に新型コロナウイルスの大きな影響を受けた米国市場において下期の症例数回復を想定し、通期ベースで2桁増収、2桁営業・経常増益予想としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が47.4%、営業利益が39.2%、経常利益が39.3%とやや低水準の形だが、整形外科医療機器の販売は下期が繁忙期となる傾向があり、業績も下期の構成比が高い特性があることを考慮すれば順調な水準だろう。さらに症例数が回復基調であることを考慮すれば、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は上値を切り下げたが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。10月29日の終値は2180円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS68円22銭で算出)は約32倍、時価総額は約577億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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