JSPは22年3月期2Q累計大幅増収増益、通期は再上振れの可能性

(決算速報)
 JSP<7942>(東1)は10月29日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。緩やかな需要回復や高付加価値製品の拡販などで従来予想を上回る大幅増収増益だった。通期予想(7月30日に上方修正)は半導体不足や原料価格高騰の影響を考慮して据え置いたが、製品価格改定効果なども勘案すれば再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。なお新市場区分についてプライム市場選択を発表している。株価は年初来安値圏だが、好業績を評価して出直りを期待したい。

■22年3月期2Q累計大幅増収増益、通期予想は再上振れの可能性

 22年3月期第2四半期累計連結業績(収益認識基準適用、利益への影響は軽微)は、売上高が前年同期比15.8%増の556億73百万円、営業利益が2.3倍の29億85百万円、経常利益が2.4倍の30億81百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.5倍の22億80百万円だった。なお特別損失に韓国の連結子会社における火災による損失1億29百万円を計上している。

 従来予想(7月30日に上方修正、売上高555億円、営業利益28億円、経常利益29億円、親会社株主帰属四半期純利益19億円)を上回る大幅増収増益だった。自動車分野を中心とする緩やかな需要回復、ピーブロックを中心とする高付加価値製品の拡販などで、原料価格高騰の影響を吸収した。

 押出事業は売上高が2.7%増の188億29百万円で、営業利益が38.7%増の14億70百万円だった。食品トレー向けが巣ごもり特需の反動で減少したが、産業資材製品の高付加価値製品が大幅伸長し、原料価格高騰の影響を吸収した。

 ビーズ事業は売上高が23.2%増の338億06百万円で営業利益が2.7倍の19億52百万円だった。自動車分野を中心に需要が回復し、ピーブロックの自動車分野での新規採用拡大などで高機能材製品の売上が拡大した。増収効果で原料価格高騰の影響を吸収した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が269億82百万円で営業利益が15億67百万円、第2四半期は売上高が286億91百万円で営業利益が14億18百万円だった。

 通期の連結業績予想(7月30日に売上高、利益とも上方修正)は据え置いて、売上高が21年3月期比11.0%増の1140億円、営業利益が0.3%増の52億円、経常利益が2.2%減の54億円、親会社株主帰属当期純利益が19.3%増の36億円としている。配当予想も期初予想を据え置いて21年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 半導体不足や原料価格高騰の影響を考慮して通期予想を据え置いたが、第2四半期累計の進捗率は売上高48.8%、営業利益57.4%、経常利益57.1%、純利益63.3%と順調である。需要の回復や高付加価値製品の好調に加えて、製品価格改定効果なども勘案すれば通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は出直り期待

 株価は年初来安値圏だが、好業績を評価して出直りを期待したい。10月29日の終値は1532円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円77銭で算出)は約13倍、時価総額は約481億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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